「マイ・エレメント」
古いブログの記事を見つけた「水と火」。これもまたこの映画を考えるにあたって象徴的ではある。

ピクサーの新作「マイ・エレメント」を鑑賞。木曜日の夜、午後から仕事をさぼって新宿まで移動して鑑賞。劇場は盛況だった。客層は幅広く夏休みということもあって遅めの時間にもかかわらず子供さんもチラホラ。

この映画に参加しているメンバーを紹介すると面白いのだが、韓国系２世のピーター・ソーン監督に主人公のエンバーの声を演じた中国系で孤児だったリア・ルイス（「ハーフ・オブ・イット」の主人公）、そしてウェイドを演じたママドゥ・アティエは父親がモーリタニアからの亡命者だったりする。元素（エレメント）というタイトルは、この映画を構成する関係者たちのそれぞれの歴史に裏打ちされているように思う。

とにかく奇想天外なドラマで、火と水が果たして結ばれうるのか？という疑問を強引に払拭してドラマは進む。しかし最後の最後で、これが単なる元素間（人種間）の隔たりを埋めるような単純は話しではないことがわかってくる。こんなスケールの大きな話しをとてつもない疾走感でぐいぐい推し進めるパワーに圧倒されてしまった。もちろん子供さんたちが見ても大いに楽しめる映画なのだが、むしろ大人の目を釘付けにする映画。いや、大人こそ見るべき映画。いやいや大人と子供がともに鑑賞して、いろいろ語り合うべき映画なのではないかと感じた。対立を描きながら、まるで違うところに映画のオチがあったことに驚く。

すごい映画だった。

ディズニー１００周年を記念する映画で、シンボルのシンデレラ城がどんどん立体化して進化するところも見逃せない。

Elemental | Official Trailer

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