#フェラーリ  マイケル・マン監督

「フェラーリ」 現在進行系の映画




トウキョウ・バイス」の監督や「フォードvsフェラーリ」などでプロデュースを担当したマイケル・マン監督作品。車にはまったく縁のない自分でも没入できる映画。素晴らしい映画だった。



その素晴らしさを挙げるとキリがないのだが、敢えてしぼると、ひとつは冒頭のシーン。オープニングシーンから約10分程度で、人物描写を描き切る。早いカットに風景などをモンタージュして、エンツィオ・フェラーリという人物がどういう人物であるかを一瞬で描き切る。多くを語らず、ひとつひとつのシーンでこの人物の抱える苦悩と大胆さ、細やかさと寛容さなどが一気に描かれる。妻役を演じるペネロペ・クルスのみじめな姿も印象的。彼女の大きな瞳からこぼれ落ちる涙・・・


これらのシーンだけで、映画は十分になりたつ。映画とは本当に素晴らしいものであることを教えてくれる。


言うまでもなく、このドラマはフェラーリという男を追いかける話しであって、レースシーンだけでなく、様々なシーンが時代を描写するのも見事。しかし、もうひとつこの映画が素晴らしい理由がある。それはラスト近くで起きる。


目を覆いたくなるようなすごいシーンがあって、このシーンを見た瞬間、ずっとこの映画を見続けてモヤモヤしていたものが吹っ切れた。レーサーに命がけで走ることを命じるフェラーリ。妻や恋人に遺書のような手紙を残すレーサー。フェリーニが子どもに語る車の設計の美しさ。(宮崎駿監督の「風立ちぬ」を重ねるレビューもある。)これらはいったい何を示すのだろうか。


時々伝わる爆音とともに迫力ある映像が続く作品であはあるが、それ以上に”いま”世界のどこかで起きていることをこの映画は見事に代弁しいると思われるがどうだろう。


アダム・ドライバーはフェラーリを見事演じきっている。クリスチャン・ベールやヒュー・ジャックマンをスキップして彼に白羽の矢が立ったようだ。


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