ペルソナ ① #中野信子 著

「脳に潜む闇」というサブタイトルで、テレビなどにも出演されている中野信子さんの著書を初めて読ませて頂いた。面白かった。講談社から2020年に出版された本。「ペルソナ」というと個人的にはベルイマンの「仮面ペルソナ」を連想する。


ペルソナ 脳に潜む闇 (講談社現代新書)
ペルソナ 脳に潜む闇 (講談社現代新書)
講談社
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東大工学部を卒業されて脳科学を専門にされている中野信子さんの歴史を遡るような仕組み。まるでノーランの「テネット」のようだ。


脳科学に詳しくないが、過去に読んだ本にも重なる部分もあって腑に落ちる部分も多い。


”はじめに”という序文で「わたしは存在しない」と断言する。これはこの本のラストと対比的。1970年代に生まれた著者が失われた世代といわれる団塊ジュニアであることを示し、ペルソナというタイトルのヒントを示す。


1章 サイコマジック 2020年


この本だ出された年、ちょうどコロナ禍の社会を背景に様々な状況を紹介する。例えば毒親。それを誰もが身に覚えのあるもので、この根底にある憎しみや恨みは「愛してほしかった」ことの裏返しだという。泣き叫ばなければ要求に応じてもらえなかったことに起因する。波多野誼余夫教授の「無気力の心理学」にも遡る。


無気力の心理学 改版 やりがいの条件 (中公新書)
無気力の心理学 改版 やりがいの条件 (中公新書)
中央公論新社
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2章 脳と人間について 2010〜2019 (35歳〜44歳)


「正義中毒」というキーワードが目に留まる。自分もサンデルの本などを読んだりした頃、正義の正当性について考えたことがあったが、いまは違う。


たとえとして著者は、ブランド脳は同調圧力(エモーショナル・ブランディング)として、日本にこの傾向が強いという。正義はあくまで集団として生きるための戦略のひとつでしかなく不変なものではないとしている。まったくそのとおりだ。


京都大学の阿部修士教授を紹介し、「ウソをつく脳」について報酬期待高い人はウソが多いことを紹介する。植木理恵さんの本を思い出した。


脳は平気で嘘をつく 「嘘」と「誤解」の心理学入門 (角川oneテーマ21)
脳は平気で嘘をつく 「嘘」と「誤解」の心理学入門 (角川oneテーマ21)
KADOKAWA
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数字を求められるサラリーマンが嘘をついて成果を示し、その嘘がバレて底が割れる現象に似ている。報酬に身を任せると、依存症なる危険にさらされる可能性がある。


つづく・・・


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