柳之助・太福二人会 お江戸上野広小路亭
正月の特別興行で来た「上野広小路亭」。この日は春風亭柳之助師匠と玉川太福先生の二人会というお誘いがあって、4人で出かけた。
柳之助師匠の会は、昨年の「錦秋の会」(人間国宝、神田松鯉先生登壇)以来4回目。玉川太福先生は、同じく柳之助師匠の「水無月の会」以来。
場内は満席の大盛況。柳之助師匠のファンも大勢駆けつけているようだ。
開口一番、前座さんの「子ほめ」で開演。
柳之助師匠の「酢豆腐(ちりとてちん)」上方バージョンで大爆笑。
太福先生は、浪曲「森の石松 三十石船」
広沢虎造先生の世界と、太福先生の玉川流アレンジを取り入れた大胆な浪曲。会場はすっかり太福先生の魅力に取り憑かれる。
中入りをはさんで、後半も太福先生。曲師の「玉川祐子」先生は御年100歳。
太福先生が祐子先生のガラケーをスマホに乗り換えるときのエピソードを浪曲調で綴る。爆笑につぐ爆笑。
このあたりで、だいぶ時間もオーバーしていたが、最後は柳之助師匠の「里帰り」。これはなんと春風亭柳昇師匠の新作落語だそうだ。なんとも味のある人情噺でじんわりと感動させる。
たまたまこの日、勤め先でストレスチェックをした後だったので、柳之助師匠が演じた「酢豆腐(ちりとてちん)」に”ものの考え方”を学ぶ。出された料理をおべんちゃらのようになんでも褒める(ポジティブ)と、出された料理を知ったかぶりをしてなんでも皮肉をこめる(ネガティブ)という考え方の違いに、抱えるストレスの重さも比例するという。マイナスのことを口にすれば、相手を傷つけるだけでなく、自分も傷つくのだ。
同じことが「里帰り」にも言えて、姑とうまくいかない娘が里帰りして父親に相談すると、「この薬を飲ませて殺してしまおう。」となる。その前に約束ごととして「1年間がまんして姑を持ち上げてから殺そう。」ともちかけたら、1年後、姑と円満に過ごす娘が里帰りしてきた、という話し。
柳昇師匠の「里帰り」を聞くと、ふたたび「里帰り」した娘に「人を殺すとどうなるかわかるか?」と説くところに、柳昇師匠の戦争体験がじんわりと滲んでいるように思う。柳昇師匠の落語や著書でも有名な「与太郎戦記」は、狂気の沙汰の戦場を落語で笑い飛ばすような内容だが、この国がじわじわと”そちら”のほうに向かわせる今の世の中を、柳昇師匠はどのように感じ、どのように表現したことだろうか。
柳之助師匠の会には学びが多い。
日本橋で聞いた「たがや」や「桃太郎」の背景には、何か少し違う意味合いも滲ませているのではなかろうか。深読みしすぎか?
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