カモのネギには毒がある4 甲斐谷忍(原案:夏原武)
女性がレイプされたことを公にするって大変な勇気がいることだとおもう。
守られる権利や尊厳、そうしたものの根底が崩れているような気がする。足立正生監督がさかんに言われる「底が割れている」状態は世界に蔓延している。
2巻の終わりから続く長いドラマ。ねずみ講方式のマインドコントロールされた集団の心理に教授が切り込んでゆく。我々は選んでいるようで選ばされている。「マジシャンズ・セレクト」といのも面白かった。
講義は「嘘をつかづに他人をだます方法」をテーマに進んでゆく。
「マニピュレーター」という見えないように搾取する方法。表舞台に登場しない鈴鹿十郎という人物によってコントロールされるネズミ講集団。これはビジネスではなく、ほとんど宗教団体の話といっていいだろう。
加茂教授の作戦は、年配の元生保レディーをスカウトしたこと。
大勢の信者を集めたこの女性がパーティの席で信者に向かって「脱会してください」と発言して大混乱が生じる。なんとこの女性は、教祖である鈴鹿十郎の母親だった。加茂教授は、教祖の鈴鹿が最も痛手とする、苦労をともにした母親を切り札とすることで、教祖のマインドコントロールを解くという方法に打って出たのである。
巻末に夏原武氏の講義があるが、これが実に説得力があって読み応えがある。とくに「憲法」が国民を当地する法律ではなく、権力を統制するための法律であることは、「妖怪の孫」という映画で再認識した。
いってみれば、この国の国民は、とある政党にマインドコントロールされ、憲法改正の道を辿ろうとしてるが、その改正案は「憲法を国民が守る義務」とあらためようとしているのだ。
次の講義は高齢者向けの「リスクのない高収益ビジネス」へと踏み込んでゆく。ただ高齢者の話を聞く、というバイトをしている女性に密着して、その女性が勤める「ながいきくらしサポート」という会社の実態に迫るものだ。高齢化が進み、わずかな年金で暮らす高齢者を騙して高収益を得る悪徳事業が増えている。
このドラマを冷静に読むと、資本主義がいかに矛盾した仕組みであるかも学ぶことができる。我々は日々騙されている。ネットやコンビニや道を歩いているだけで騙されている。そして必要のないものをいつのまにか掴まされているのだ。巻末に騙されて契約したときの対抗策なども書いてある。すぐれものだ。
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