「罪人たち」の国──ライアン・クーグラーが描くアメリカ

dalichoko(ダリチョコ)


66.5kg 「让伊朗再次伟大!」Make IRAN great again - 


罪人たち」(KINENOTE)


公開2週目のシャンテで鑑賞。平日の夜にもかかわらず、館内には静かな熱気が漂っていた。何しろ、アメリカで記録的なオープニングを飾り、世界興収も絶好調という話題作だ。


舞台は禁酒法時代の1930年代。南部の綿花農場で黒人が奴隷のように働かされる地域に、一台の車が教会に乗りつける。右手にギターを握った少年が教会に足を踏み入れる──印象的なオープニングだ。


前半は、町にダンスホールを建てようと奮闘する双子の兄弟(マイケル・B・ジョーダンが一人二役)を中心に展開され、典型的なサクセスストーリーかと思わせる。だが、物語は中盤から一変する。ある夜、ダンスホールに現れた白人の流しが「中に入れろ」と主張し、黒人側がそれを拒否する──その瞬間から、物語は想定外の方向へと突き進む。


特に印象的だったのは、幻想的なダンスホールの世界に、突如としてメタルやラップといった黒人音楽のルーツを辿るような音が重なり合う場面。時代設定を越えて音が炸裂するその瞬間、観客は音楽の洪水に包まれる。IMAXでの鑑賞が推奨されているのも、このシーンを“体感”するためだろう。圧巻の映像と音響体験だった。


結局この映画は、「音楽」あるいは「音」を軸とした抽象的なドラマだ。「エルヴィス」の冒頭を思い出さずにはいられない。メンフィスの田舎、少年エルヴィスが教会を覗くと、黒人がギターをかき鳴らしている──その場面が、世界的スターの原点だったように、この作品にも“始まり”を告げる音がある。


監督は『フルートベール駅で』のライアン・クーグラー。黒人監督という枠にとどまらず、人種や格差、そして国家が抱える構造的な問題を描き出す本作は、極めて普遍的なテーマを持つ。彼の力量にあらためて舌を巻く。




導入部! 【月刊丸屋町山 シーズン2_16】ブルース! KKK! ヴァンパイア! マイケル・B・ジョーダン主演『罪人たち』は音楽と差別と吸血鬼でアメリカ史を読みとく




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