親愛なる同志たちへ アンドレイ・コンチャロフスキー☆
アンドレイ・コンチャロフスキーの『親愛なる同志たちへ』
Дорогие товарищи!
4.8公開『親愛なる同志たちへ』予告
世界の大御所コンチャロフスキーについていまさらあれこれ書くつもりはないが、個人的には黒澤明監督がハリウッドで構想していた『暴走機関車』を実現させた男だ。日本のクロサワが夢としていた映画をロシア人のコンチャロフスキーがハリウッドで実現させた。もうそれだけで何も説明はいらない。そのコンチャロフスキーがここにきて、半ば命を賭して作った映画がこれだ。
ある印象的なシーンがある。そのシーンを見るだけでこの映画を見る価値があるとだけ書き留めておこう。すごいシーンだ。いままで見たことがないようなすごい虐殺シーンが繰り広げられる。
主人公の女性は特権階級で政府側の人間で、その特権を利用して見失った娘を命がけで取り戻しに向かう。ただそれだけの話しだ。しかしことはそう簡単ではない。この暴動、ノヴチェルカックスの虐殺事件を極めてリアルに丁寧に描いた映画だ。かつて多くの虐殺や暴動があった。それは人民の蜂起である。日本にも韓国にも中国にもあった。そしてロシアでも何度か繰り返されていた労働者の蜂起が、虐殺事件となってゆくさまを描く。
主人公は自らの特権的な立場を利用して、なんとか生き延びそして娘を探し出そうともがく。しかし、この虐殺事件が起きた原因を美化するために、地方議会でウソの証言をするように強要される。そのストレスで彼女はトイレで半狂乱のような状態になる。
こうした映像をモノクロで描くことで価値が膨らむ。モノクロの美しい映像の彼方には、血で染まった現実がある。そのことをこの映画を想像させずにおかない。主人公の母親は、協力者を得て娘が埋葬されたかもしれない墓場で泥にまみれて土を掘る。移動中に歌う国歌は現実からほどとおい世界。それを協力者の男性と車の中で歌うシーンもまた胸がきしむ。要するに彼らは心にもない言葉と行動を強いられているのだ。その矛盾がこのシーンに覆いかぶさる。
大きな暴動が群衆を揺動し、戦争状態に導く汚い手段もこの映画がよく表している。労働者は正当なデモ行進をしていて、軍がその前に立ちはだかる。中央政府は暴動になることを避けるため、発砲を固く禁じている。しかしデモ行進の中にスパイを潜り込ませ、軍が発砲するように仕向けるシーンがある。ここからはもう壮絶な虐殺シーンが延々と示される。
かつてガンジーやキングが無抵抗で人民をリードしてきたが、必ずその先には強い権力が立ちはだかる。この映画では権力側にいる普通の女性を軸にドラマを描くことで、矛盾を浮き彫りにしている。
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