「TOI 混ざり合う強さ─ウェリントン博物館にて」

dalichoko(ダリチョコ)

ウェリントンの博物館はとにかく広大で、何度訪れても見きれないほどの奥行きがあります。


「ケーブルカーと涙の博物館──ウェリントン最終日の小さな発見」 - 



圧倒的なガリポリ展に心身を揺さぶられ、すっかりへとへとになってしまいましたが、まだまだ見どころが尽きません。この国の文化と歴史に対する真摯な姿勢が、このスケールに表れています。



次はマオリ芸術を中心とした展示空間を訪れました。



「TOI」とは、マオリ語で「アート」「創造」「先端」「知恵」などを意味する言葉だそうです。まさにその名のとおり、ここにはマオリの精神が息づく多彩な表現が詰まっていました。



建築やデザインを主軸にした展示も素晴らしく、特に印象に残ったのは、どこか神秘的で、儀式的な意味を感じさせるベッドのような造形作品。



この不思議なベッドはどういう意味をもつのでしょうか。



絵画にも力強い民族性と独創性があり、ゴーギャンの絵を連想させるような、褐色の身体美や独特の目の描き方に惹きつけられました。



じっと見つめていたくなる、微笑ましい作品も数多くありました。



時間があればもっと楽しんでみたい作品がいっぱいです。



マオリにとって生活に欠かせない「船」も、この展示の要です。



巨大なカヌーの実物展示、そしてそれが実際に海を進む映像──どちらも感動的でした。



そこには単なる技術ではなく、民族の誇りと知恵が宿っています。日本と同じく、海に囲まれた国だからこそ生まれた精神性。異なる文化でありながら、どこか親しみも覚えました。



本当はのんびり過ごすつもりだったのに、あまりの情報量と感動の連続に、結局時間が足りなくなってしまいました。それでも、たった一日でもここを訪れた価値は十分にありました。



この国を歩いて感じるのは、「混ざり合うこと」の豊かさです。


さまざまな人種が行き交い、街に当たり前に共存している。アジア人である自分がその中で特別目立つこともなく、同時に、小さな存在だと実感もします。けれどもそれは、排除や分断の文脈ではなく、調和の中での「多様性」の手応えなのです。


ニュージーランドの国歌は、マオリ語と英語の2言語で歌われます。かつて侵略者としてこの地に降り立ったイギリス人たちが、いまこうしてマオリ文化を尊重しながら共に暮らす背景には、痛みを伴った歴史の上に築かれた理解と和解があります。


国とは、文化とは、人種とは。

グローバル化という名のもとに世界が急速に混ざり合ういま、あらためて「共に生きる」ことの意味を、海外にいるからこそ深く考えます。


少なくともここには、「異なるものを排除すべき」とする短絡的な発想はありません。

むしろ「違うからこそ、価値がある」という認識が、日常の中に静かに息づいています。


そんなあたりまえの光景を、わたしたちの社会は本当に守れているのか。

「自国ファースト」や「純血幻想」に酔う声の陰で、大切な何かを手放していないか──目をこらしたいところです。


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