誰も言わない日本の「実力」① 藻谷浩介著

- デフレの正体 経済は「人口の波」で動く (角川新書)
KADOKAWA
本
藻谷浩介さんが「デフレの正体」(2010年)は生産年齢人口の減少にあると主張した著書から四半世紀。個人消費の下振れが企業の業績を圧迫し、賃金低下がさらなる消費を減少させるデフレスパイラルから、昨今は急激なインフレに見舞われています。
この本は藻谷さんが2019年から2024年まで、毎日新聞に連載した「時代の風」を編集しなおして1冊の本にしたものです。①経済、②政治、③国際関係、④社会、⑤思考法という5つの分類しなおして、とても読みやすくまとめた本。すごく刺激的です。
藻谷さんの説と自分の考えは必ずしも一致しませんが、それでも参考となる部分も多く、特に安倍晋三政権に対する痛烈な批判はうなずけます。中曽根、小泉、安倍が対米従属にシフトしすぎて、この国を悪い方へと向かわせたことは間違いないと感じます。
ここでは、藻谷さんの著作を紹介しつつ、自分の考えを整理する意味で、敢えて反対の考えなども交えながら記録を残そうと思います。
第1章 経済 アベノミクスの失敗
この著作で最も同感するのがこの章です。「事実の側に立つ」(2016)の中では、株式時価総額が増えてもインフレにならなかったことを批判しています。この記事から10年経った今から読み直すと、”膨大なリスクを伴う社会実験”を失敗させたと言えるのでしょうか。「円安株高を歓迎するのは誰」(2023)では、ドルと株を持つ資産家を喜ばせただけの経済政策は片手落ちだと言います。
「内需拡大に結びつかない雇用改善」(2017)では、アベノミクスの失敗を雇用改善にすり替えたことを非難します。増えたのは非正規雇用であって、何も達成できないうちに、コロナで政権を放りだして病気を偽って辞任する安倍晋三を声高に批判しています。
藻谷浩介さんは①若者の賃上げ ②女性の就労促進 ③インバウンド が日本の景気を底上げすると主張しますが、現実は藻谷さんの考えに追いついていません。「少子化する世界 生産性の罠」(2023)では、子どもの声がうるさいという高齢者の意見で公園がなくなるような国にしてしまったことを嘆きます。
ただ藻谷さんはこの中で、はっきりと増税論者で円高論者であることを示します。要するに旧民主党支持者なんですね。
次回は第2章「政治」について語ります。
つづく・・・
★
ブログサークル
ブログにフォーカスしたコミュニティーサービス(SNS)。同じ趣味の仲間とつながろう!
★


