世界を変えた建築構造の物語②「地下と水の知恵」

- 世界を変えた建築構造の物語
草思社
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ここでは、人類は“見えないところ”で進化してきたことを教えてくれます。
この本は、著者の構造エンジニア、ロマ・アグラワルさんが世界を旅して得た情報がぎっしり詰まった内容です。
例えばローマのパンテオンは、無補強構造で世界最大の建築物なのだそうです。古代ローマ時代の建物です。
この石で作られた構造に鉄を含めて、より強固な建物が「パリ万博」で紹介されたのが1867年。ジョセフ・モニエの発案だったとか。
建物はさらに上へ上へと向かいます。先ごろ鑑賞したアントニ・ガウディのサグラダ・ファミリアがそうであるように、サンタマリア・デル・フィオレ大聖堂もまた不可能を可能にした建物だそうです。
エレベーターの原理を考えたのは、なんとアルキメデスだった、というのも驚きです。エリシャ・オーチスが滑車の原理を進化させてエレベーターを作ったという歴史にも学びがありますね。
上だけでなく、下部構造も構造エンジニアの仕事です。湖の上に建つメキシコ・シティや、地盤に基礎が浮かぶ「メトロポリタン大聖堂」などは、現代の高層建築にもそのノウハウが生かされています。
フナクイムシの動作がヒントとなったトンネル工事。油より水が希少価値のイランで開発された地下水道。「007ロシアより愛をこめて」にも出てくるトルコのハシリカ・シスタンの貯水塔も歴史的建造物です。シンガポールは水の確保が国家的最優先課題だ、というのも意味深いです。

これらは、「上へ行く技術」と「下を支える技術」が対になっていることを意味するわけですね。
そしてわれわれは水と太陽で地球の一部として生かされているのです。
つづく・・・
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