少年と君

2021/08/09 05:00

アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート、『少年の君』予告編
『少年と君』を鑑賞。午前中マン・レイを見て、午後同じBunkamuraの映画館の最前列で見ましたね。最前列で映画見るのって『魔宮の伝説』以来じゃないかな。高校の友だちと見たあの映画。

東急百貨店本店の裏手に隣接するBunkamuraには美術館や劇場や映画館が重なる複合芸術施設ですね。このル・シネマはこの建物の最上階に位置します。大手シネコンで展開するような大きい資本の映画ではなく、規模は小さくても評価の高い映画がラインナップされます。いい映画館です。

香港の映画ですが、中国でも上映されて、なんと２５０億を超える興行収入だそうです。すごいです。題材が題材だけに、大きな宣伝もされずほそぼそと公開が始まった映画ですが、世界的評価の高まりに合わせて、どんどん拡散していったようですね。２５０億円て、新海誠監督の『君の名は。』を超えています。ちなみに中国の映画興行で最大のヒット作って９５０億円ぐらい稼いでいますから、日本で”鬼滅の刃”が歴史的大ヒットを飛ばしてもせいぜい４００億円。半分にも及びません。中国経済の強さがわかります。ハリウッドも中国を意識した映画作りをしていますね。

この映画はいわゆる”いじめ”を描いた作品です。中国だけでなく世界に蔓延する格差と虐待。どうして弱いものいじめをしたくなるんだろう。そして中国の受験戦争の凄まじさ。この残酷な社会を描く映画は、後半にサスペンス的な内容になってどんどん吸い込まれていきます。いじめについて、最後のテロップで色々説明されていますが、はて？日本でこれどうなんでしょう。

子供の虐待に対して先進国で最も遅れをとっている日本。これもまたデフレの影響でしょうかね。お金がないから人がいない。なんでもデフレです。『竜とそばかすの姫』でも掘り下げられた世界、虐待に対する防衛手段もなにもない日本。アメリカには厳しい法律があり、フランスは児童虐待専門部隊があって、彼らは銃を持って制圧します。
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