フォール・ガイ デヴィッド・リーチ監督
「フォール・ガイ」
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主演の「フォール・ガイ」を演じるライアン・ゴズリングは「バービー」や「グレイマン」など、体を張った役だけでなく、デミアン・チャゼルの「ファースト・マン」など、内面を表現する演技など幅広くコンスタントな仕事ぶりで、共演するエミリー・ブラントもまた「オッペンハイマー」や「ペイン・ハスラーズ」などに出演して、ハリウッド映画の常連だ。
実はこの映画を公開週の土曜日の朝に鑑賞したのだが、客席は6〜7割。かなり前から予告編で宣伝していたこともあってこのあとの客足が気になるところだが、それなりに苦戦しそうだ。1億5千万ドル投下されたこの映画の損益分岐点は3億ドルと試算されていて、現時点の回収は1億8千万ドル程度なのでほぼ赤字は確定している。あとはBlu-rayや配信サービスに高値で売ってもとを取ることになるだろう。9千万ドルで作られた「ブレット・トレイン」を大ヒット(2億4千万ドル)させたデヴィッド・リーチ監督だが今回は苦戦しそう。
映画は決して悪い映画ではない。
映画がどれだけ多くの裏方によって作られているかを丁寧に掘り起こすような映画。サスペンスタッチな展開もさることながら、過去の多くの映画をリスペクトしてこの映画の中でセリフとして残している。映画好きが楽しめる作りにもなっている。また、冒頭からキッスの「ラビング・ユー・ベイビー」をがんがん流すなど、大ヒットした古い楽曲を容赦なく流し、主人公のふたりの心情を重ね合うという手法も魅力だ。エミリー・ブラントのカラオケシーンもいい。
映画はギャンブルだ。しかもこれだけ大きな資本を投下した映画を回収するのは極めて難しい。オーストラリア(オペラハウスなど)のロケも含めて、相当な製作費をかけて作られる大作映画の裏側を垣間見る映画でもある。面白かった。
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