「チャップリン」ー偉大な父をもつという不幸

dalichoko(ダリチョコ)

チャップリン」(KINENOTE)



とにかく美しい映画でした。


偉大なチャップリンについてあれこれ語ることは控えますが、このドキュメンタリーは、孫のカルメン・チャップリンが捉えた「新たな視点」の映画です。


上映後には、日本チャップリン協会会長であり研究者でもある大野裕之さんが、アフタートークで丁寧に解説してくださいました。


教養としてのチャップリン  大野裕之著 - 


チャップリンとアヴァンギャルド ① 大野裕之著 - 


大野さんも言われていたとおり、この映画にあわせて、ここ角川シネマ有楽町ではチャップリン作品の特集上映が組まれています。一昨年にも大規模な上映企画があり、わたくしも五本ほど鑑賞しました。


このドキュメンタリーで静かに中心に据えられるのは、『ニューヨークの王様』で子役として出演したマイケル・チャップリンです。



八十歳近くになったマイケルが、偉大な父について語る姿からは、名声とは裏腹の、重く長いプレッシャーが伝わってきます。偉大な親をもつことの重みは、我々凡人の想像をはるかに超えるものだったのでしょう。


ラストで、マイケルが海に向かってよたよたと歩いていく場面は、とりわけ印象的です。極貧から世界的アイコンへ、赤狩りなど数々の逆風にさらされた生涯は語られてきましたが、その陰で家族が抱えた苦悩が正面から語られることは、決して多くありません。


ここ有楽町は、チャップリンが『街の灯』公開後に来日し、帝国ホテルに宿泊し、歌舞伎を鑑賞した場所でもあります。その際、「五・一五事件」に巻き込まれかけたという逸話もよく知られています。


映画と場所と歴史が、静かに重なり合う一本でした。




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