トランスジェンダーになりたい少女たち アビゲイル・シュライアー著、「急性内斜視」

トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇
トランスジェンダーになりたい少女たち SNS・学校・医療が煽る流行の悲劇
産経新聞出版
Digital Ebook Purchas


原題は"Irreversible Damage"「修復不能なダメージ」。本の表紙も意味深だ。


この本をなぜ読もうとしたのか記憶が曖昧なのだが、おそらくジジェクの「戦時から目覚めよ」かもしれない。読み終えてすぐ連想したのはアンディッシュ・ハンセンの「スマホ脳」。著者のアビゲイル・シュライアーがウォールストリートジャーナルの記者だった頃に寄稿した記事を本にしたもので、2020年に発刊されて大変な話題になったものらしい。


まず、我々が「性同一性障害」と言っていた病名は「性別違和"Gender Dysphoria”」(あるいは「性別不合」"Gender Incongruence”)に改められていることを知る。そして著者は冒頭の部分で、著者が接した多くの対象者(敢えて性別は示さない)との長く慎重なやりとりを示している。


2009年頃から10代女性の自傷行為が62%も増えたことに着目した著者は、多くの取材と学術的根拠などを示しながら、原因の中心をSNSの普及としている。スマホやネットが「不安と悲しみをもたらすこと」を誰もが知っていながら依存してしまう社会に警鐘を鳴らそうとしているのだ。


性別違和は、医学的に生まれもったものであるにもかかわらず、SNSの影響で興味を示した少女たちが思い込みでトランスジェンダーに至る現象に対し、学校、家庭、精神医学などの背景を探りつつ、身体的な改造によってもたらされた悲劇を示し、(もちろん全員ではないが)多くの対象者が後悔する羽目になることを示している。


同性愛とトランスジェンダーを混同してしまっている現実も紹介し、過剰な反応には気をつけるべきだと言っている。特に、男性になったことで社会的優位性に期待する人が多いが、必ずしも男性が優位になることばかりではないことなども意見として添えている。


何より、子供にスマホを持たせるとろくな事にならないとし、ハンセンの「スマホ脳」で紹介された、節度のないインフルエンサーからの影響を遮断すべきだという。確かに、なにかに影響されて、いつしか依存してしまう脳の働きを思うと、この本はトランスジェンダーの現実を示しながら、もっと幅広い社会問題に楔を打とうとしているように受け取ることができる名著である。





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子供たちへのスマホ使用による健康被害が様々なところで起きているらしい。



スマホ脳① 「スマホはドラッグ」 アンディシュ・ハンセン著 「200 hours」 - #ダリチョコ の映画とグルメ

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