オビ=ワン・ケノービ デボラ・チョウ監督。「所信表明」
オビ=ワン・ケノービについては、このウーキーペディアが詳しい。監督はカナダ人のデボラ・チョウ。
オビ・ワンの長く辛いドラマチックな人生の一部をDisney+がドラマ化させた。これを見たいがために、Disney+と契約したと言っていい。
オビ・ワンのドラマのあと、傑作「ローグ・ワン」をはさんでエピソード4「新たなる希望」へと続く、ある意味で辻褄合わせのドラマではあるが、1977年に公開され世界的に大ヒットしたこのシリーズの始まりへと続く、まさに”希望”をほのめかすドラマに魅力を感じる。
エピソード3「シスの復讐」で、壮絶な師弟対決を制したオビ・ワンだが、帝国の逆襲でほとんどのジェダイが殺され、息を潜めて暮らすオビ・ワンの物語から始まる。アミダラ姫の願いでルークとレイアを影から見守るオビ・ワンが、いかにフォースを使わずにふたりの成長を維持するか。ダースベイダーのほか、新たな強敵としてサード・シスターという個性的な存在がこのドラマを大きく左右する。
ドラマが「Hello there」で始まり「Hello there」で終わることの意味をあまり理解していなかったが。「新たなる希望」でアレック・ギネス演じるベン・ケノービが最初に登場するシーンでこの言葉が使われる。オビ・ワンの歴史を知ると、あのアレック・ギネスが演じたオビ・ワンの言葉が強調される。
「シスの復讐」以来、オビ・ワンとアナキン(ダースベイダー)の壮絶な戦いがクライマックスとなっている。この愚かな戦い、愚かな仲間うちの戦いこそこの映画のテーマだと感じる。強い権力に引き寄せられるポピュリズムと、その強い力でねじ伏せようとする勢力。そしてその絶大な権力に巻き込まれる弱者が抵抗しようとする姿勢は、まさに民主主義そのものを危機に陥れようとする構成だ。
最後、オビ・ワンが”新たなる希望”であるレイアとルークにかける言葉に涙する。この社会に希望はもうないが、1977年、まだ自分が子供だった頃、未来は明るかった。明るい未来を消し去ろうとする趨勢にあって、このドラマが風前の灯として感じられたのは自分だけだろうか。
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世界から大きく遅れをとる極東の国の首相が国会で所信表明演説をしても、世界のどこの国も記事にしてくれないが、ロシアのペスコフ報道官が北方領土問題に言及したことで、スプートニク日本で小さな記事を紹介してくれている。
対話拒否や経済制裁を始めたのはロシアではなく、「日本側のイニシアチブだった」とも加えた。という記事は事実だろう。アメリカに圧力をかけられて言いなりの国だからな。