経済成長主義への訣別 ② 「衝動社会」の闇

経済成長主義への訣別 (新潮選書)
経済成長主義への訣別 (新潮選書)
新潮社


第二章 1970年代に社会転換が生じた


脱工業社会の到来 上: 社会予測の一つの試み
脱工業社会の到来 上: 社会予測の一つの試み
ダイヤモンド社


この章で、ダニエル・ベルの「脱工業社会の到来」(1973年)を中心に、マルクスが直感したと言われる資本主義の無政府的過剰競争が工業社会を破綻へと進ませるまでを整理している。豊かさが「文化」的生活をもたらすはずだったが、実態は過酷な労働で劣悪な生活を強いられ、資本主義は結局、競争と効率化だけを残し、人間性を捨て去る社会が1970年代に生まれたということだ。



第三章 高度情報化は「衝動社会」を生む


レーガノミクスによる新自由主義の到来による市場原理主義、すなわち何もかもを民営化することで公共が失われ、政府までも資本に飲み込まれてしまった。さらに情報化社会の広まりで過剰な情報が不確実性を増加させる「衝動社会(インパルス・ソサエティ)」を生み出し、人々は常に「衝動」に支配されてゆく。ネット社会は「不安」をアウトプットする道具を駆使して社会を衝動化させる。


第四章 「希少性の経済」と「過剰性の経済」


果てしない欲望を満たすために、資本主義経済は「希少」なものを「過剰」に作り出すことでコストを削減し、さらなる欲望をふくらませる仕組みとして続いてきた。しかし、今頃になってこの希少性が資源の枯渇を招くことに気づきはじめる。欲望は無限だが、資源は有限だ。そして無限の欲望は永遠に効率性の奴隷を生み出し、いつしか「過剰」なものだけが溢れ出る社会となってしまう。



♪欲望 欲望 ふくれてゆくだけの欲望 何もかもが手に届かない♫


佐野元春欲望


つづく・・・


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