キネマ旬報 2023年2月下旬号
キネマ旬報最新号が先ごろ発売された。主要な賞はネット配信などで授賞式が公開されたが、岸井ゆきのさんの主演女優賞は誰もが認めるところだ。しかし沢田研二さんの主演男優賞は失礼ながら意外だった。
「土を喰らう十二ヶ月」という水上勉のエッセイのドラマ化による受賞だ。未見だが、評価の高い作品のようだ。沢田研二ことジュリーが大スターだったことを知る方はどれぐらいいるだろうか。ジュリーが歌手として大活躍した頃、映画でもリベラルな作品に出演し、ときに時代を騒然とさせる。中でも「太陽を盗んだ男」は衝撃だった。キネ旬の年代別ベストテンでも1位を獲得した作品。もう二度と誰もこんな映画を撮ることはできまい。ジュリーと菅原文太さんのバトルがすごかった!
さて、昨年のベストテンを総括するが、なんと日本映画はほとんど見ていない。先ごろやっと鑑賞した「ケイコ 目を澄ませて」のほか「ハケンアニメ!」「PLAN75」「さがす」だけ。多くの評論家筋が突出した作品がなかったと評する傍らで、日本映画の衰退と堕落について懸念を示している。それはつくり手だけでなく見る側のレベルが落ちていることも懸念されていて「自分が知りたい情報だけを取り出して見た気になる輩」(上野昴志)や「映画ジャーナリズムも問われている。」(大高宏雄)などの厳しい意見の反対で「業界の旧来的な慣習の洗浄」(森直人)という考えもある。中でも尾形敏明氏の「もっと怒れ!」という映画のセリフを代弁するコメントは印象深い。
外国映画は、予想を覆して「リコリス・ピザ」が「トップガン・マーベリック」をわずかに交わして1位を獲得した。「トップガン〜」がこの2022年を代表する映画だったことは明らかだが、PTAの小作を”ダントツの1位”と評価する方も多く、いかにもキネ旬らしい結果だったと思える。
文化映画は大島新監督がプロデュースした「私のはなし 部落のはなし」が1位を獲得。2位が「香川1区」。4位に「教育と愛国」、5位にヤン・ヨンヒ監督の「スープとイデオロギー」、7位に「牛久」が並ぶ。これまであまりドキュメンタリーには近づかなかったが、時代の現実を映す作品としていずれも貴重な遺産とすべき映画だ。ヤン・ヨンヒ監督が自らの作品のリマスタリングをされているが、大いに支援したいものだ。
最後に三浦友和さんが助演男優賞を獲得されたことも記録しておきたい。長く活躍されている三浦さんの真面目さが伝わる素晴らしい演技だったと思う。おめでとうございます!
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