2024年鑑賞映画ベストテン
今年もチョイスしてみたマイベスト映画2024年。去年は誰がなんと言おうと「Revolution+1」、一昨年は「ドライビング・バニー」でその前は「チック、チック、ブーン!」。
そして去年見た映画を振り返る。10本チョイスしたが年々選ぶのに苦労する。
このように並べると、偶然だが”少女”が主人公の映画が並ぶ。彼女たちの多くはドラマの中で著しく虐げられている。しかしそれを自ら突破する、あるいは誰かの助けを借りて突破する姿勢に未来を見る。「化け猫あんずちゃん」のかりん。クレオ、コット、ミュシャ(「葬贈のカーネーション)、「瞳をとじて」のアナ、「型破りの教室」のパロマ。いずれも輝かしく美しい少女たちであり、忘れがたき少女たちだ。決定的なのはやはり「シビル・ウォー」のジェシー(ケイリー・スピーニー)か。ベテランカメラマン(キルスティン・ダンスト)を追いかけ、ホワイトハウスの銃撃戦で彼女の死を写真におさめるラスト。彼女の思いとともに、世界はいままさに大きく変化を求められているということではないか。
この文脈でこれに少し加えるとするなら、「ロッタちゃん はじめてのおつかい」(1993年)か。「ゴンドラ」という映画もまた女性が主人公で、しかもセリフゼロという不思議な映画だった。次点にしたドキュメンタリー「フジヤマコットントン」や「Mommy(マミー) 」も忘れがたい1本だ。
さらに、ドラマの傑作も多く、特に国内では宮藤官九郎さんのドラマが注目された。
「不適切にもほどがある」は”ふてほど”ブームを巻き起こし、「新宿野戦病院」では医療の問題に踏み込んだ。三原じゅん子が国会議員になったことを「うっそ〜」とか言っていた不適切世代は、まさか国務大臣になることを想像できなかっただろう。本当におかしな国だ、この国は。真田広之さんの「将軍」や「地面師たち」も印象深い。
「エマニエル夫人」や「スタンド・バイ・ミー」を大きなスクリーンで見ることができたことも嬉しかった。何より「チャイナタウン」のあの時代とあの世界を再び堪能できたことは生涯の思い出だ。あの映画が自分の生涯を決めたと思うと胸が熱くなる。
アラン・ドロンやジーナ・ローランズなど、往年の名優がこの世を去ったことも時代の区切りとして記録しておこう。御冥福をお祈りする。
★
★
