コット、はじまりの夏 コルム・バレード監督 「脱税公認」
株主優待券を映画秘宝館の林比佐子さんから木内一裕監督を経由していただいたので、期限切れギリギリの1月最終日曜日、ヒューマントラストシネマ有楽町に向かう。ところが、公開間近の映画は優待券が使えず、割引きだけということらしい。それでも1,000円でアカデミー賞作品賞にノミネートされた新作を鑑賞できるのだから有難い。
数あるこの映画の成功を強引にひとつに絞るなら、「The Quiet Girl (Irish: An Cailín Ciúin)」を演じた主人公のキャサリン・クリンチに尽きるだろう。彼女をこのドラマの中心に据えたことで、この映画の奇跡は約束されたと思う。この美しい少女が、貧しい家庭や学校で虐げられ、親戚の家に預けられるというシンプルな物語に、多くの社会的な、あるいは世界が抱えるフラストレーションを凝縮させている。映画のダイナミズムだ。
ときは1981年。いまでこそ一人当たりGDPが世界一に迫ろうとするアイルランドが、まだまだ貧しかった40年前の片田舎。9歳の少女が母親が出産するため、親戚に預けられる。この映画のさめざめとした空気は、この地域とこの時代を投写するものだろうか。親も兄弟も友人たちも主人公のコットを冷めた目で見る。この沈黙と空気を映画は丁寧に描く。
この映画は「音」である。
これから映画を見るなら、この映画の音を意識して耳にしてほしい。コットが沈黙の中、わずかの期間で成長する理由がそこに隠されている。この映画は(昨今の日本の愚かなテレビドラマや映画のように)多弁ではない。大げさに言うと何も語らない。しかし、映画を見ればコットの成長とラストシーンの強烈な感動を素直を受け入れることができるであろう。「葬送のカーネーション」もそうだが、セリフを配した映像の中に、十分な情報が詰め込まれている。コットがつぶやく最後のひとことに慟哭した。
ガーディアンも★5だ。
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国家の模範となるはずの政治家が、自ら率先して脱税する国は、どうやら国民も税金を払わなくていいいということらしい。たいしたものだ。みんなで脱税してもいいというメッセージなのだそうだ。国の根幹を揺るがすすごい話だ。サラリーマンをやっていて源泉されているのがアホらしくなってくる。
— Ugry (@BobUgryHossy)