グリーンマイル フランク・ダラボン監督
ある雨の日、日本橋まで「午前十時の映画祭」を鑑賞に行く。
The Green Mile (1999) Official Trailer - Tom Hanks Movie HD
まず、この映画のリードがいい。ファーストシーンはなんというか畑の草木が映されて、そこを大勢の人たちが横切ってゆく。そこに人形の服の切れ端が残されている。次に施設の老人が映される。彼はひとりで丘の上まで散歩する。そして、高齢者が大勢でテレビを見ていて、チャンネルを変えると「バンド・ワゴン」のあの有名なシーンが映り、老人はいたたまれなくなって席をはずす。そこに同じ施設の女性が気にかけて、主人公の昔話を聞いて・・・
この不思議なシーンからぐいぐい引っ張られる。トム・ハンクス演じる看守が膀胱炎なかにかで、トイレで苦しむシーンに遡り、このドラマは不思議な展開になってゆく。
その不思議さとは、人物の不思議さであり、刑務所という密閉空間で繰り広げれられる生と死のドラマ。生と死という言葉だけでは割り切れない濃密なドラマは3時間という長尺をまるで感じさせない素晴らしい世界。
最後に贖罪とも言える残酷な運命を背負う主人公だが、それは必ずしも悲壮感のあるものでもない。この感動は、大画面で鑑賞してこそ倍化するものだと感じる。
いつも同じことを書くようだが、ぜひおも映画館でこれを見ていただけることを望む。
4Kでリマスタリングされた作品は、人物の毛穴まで映るようなドアップがスクリーンに映し出される。
9時40分から始まったこの映画に、劇場はほぼ満席。皆さんと同じ気持ちを共有できたことを確信している。
「#ジンジャーとフレッド」が歌う”天国”にも行けない主人公のサガ。
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「#グリーンマイル」-
「死」を認めても、死ぬことすらできない https://t.co/tR54P9YLtM #KINENOTE #キネマ旬報 #映画— dalichoko (@chokobo88428241)
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