FLEE フリー ヨナス・ポヘーム・ラスムセン☆
『FLEE フリー』
冒頭の主人公の顔が写されるシーンを見て、この映画の主題、主張がすぐに理解できたら本物だ。この男性の実話で綴られるこのドラマは、そのあまりの悲惨さ、残酷さから、アニメという表現でしあか伝える方法がなかったのだと思う。逆に言うと、アニメにしたことでこの映画はとてつもなく気品に満ちた作りになった。
この映画は愛の物語だ。主人公とその家族があまりにも残酷な仕打ちを受けることで、家族の愛が強くなる。主人公が少年のころ、姉の服を着て走る回るシーンは極めて象徴的だ。彼はこのころから同一性を無意識に意識していたのだ。そしてそんな彼をほほえましく見つめる周囲の目。これは自由を意味する。
この映画を見て連想するのはふたつの映画。ひとつはドキュメンタリーアニメというジャンルを確立したアリ・フォルマン監督(『アンネ・フランクと旅する日記』)の『戦場でワルツを』。あの衝撃のラストを目の当たりにして、アニメのファンタジックなイメージが全て吹き飛んだ。もうひとつは『ブレッドウィナー』。女性が買い物にでかけることも許されないアフガン社会を描く。時代も国も異なるが、この映画も冷戦構造が生み出したゆがみの中で混乱してゆく人々を描く。
ロシアにマクドナルド1号店が開店した華々しいシーンの裏で、ロシア警察が車に少女を軟禁するシーンは胸が痛くなる。この家族が移民として行き場を失う先には、もっと悲惨な現実があったことを示している。
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