去年もここ聖地秩父宮ラグビー場で観戦している。３１１は金曜日で寒い夜だった。

サンゴリアスのホームゲームとなったこの日は、土曜日ということもあってダーリンさん
連れ立って観戦。

かつてほどのラグビー熱は冷めてしまったが、今年フランスでワールドカップが行われるので、再び熱気を取り戻すだろう。

サンゴリアスの黄色で塗りつぶされた聖地。松島幸太郎選手の復帰もあって熱気十分だが、去年と違って３位に低迷している。３位で低迷とはこのチームの宿命だろう。ダミアン・マッケンジーが在籍していた去年とは違うチームのように感じた。

客席はご覧のとおり超満員。手違いでダーリンと少し離れた席になってしまったが、熱気は十分。今年はＷＢＣが開催されていて、野球とラグビーは比較にならないが、それでもこの日２万人近いお客さんが集まったのは素晴らしいことだ。

この表示がスクリーンに映し出されてどよめきが起きた。ＷＢＣの強化試合で５万人近くお客さんが集まる野球には及ばないが、ラグビー熱が続くことを祈る。

席の近くを、かつて代表キャプテンだった廣瀬俊朗さんが通り過ぎる。かっこいい。
試合開始前、３１１のための黙祷を行いほどなくワイルドナイツのキックオフ。

前半、特に序盤はサンゴリアスがスピードを生かした展開に持ち込みリード。特にふたつめの認定トライとなる際どいプレーは素晴らしかった。

フィジカルで上回るワイルドナイツも粘るが、なかなかトライにつながるシーンに恵まれず、サンゴリアスのバックス、特に松島幸太郎選手がフランス仕込みの激しいタックルで最終ラインを死守するプレーが印象的だった。

しかし前半、フォワードの中心だった稲垣啓太選手に代わって堀江翔太選手が入ったあたりからワイルドナイツの快進撃が始まる。

松田力也選手とディラン・ライリー選手が立て続けにトライを決め、山沢拓也選手が逆転のトライを決めてあっという間に１０点以上の差を逆転してしまった。本当にあっという間の出来事だった。わずか１０分程度の逆転劇。怒涛のような攻撃にあんぐりする。

ワイルドナイツは、強豪国の代表を指導した経験豊富なロビー・ディーンズ監督の適切な指導のもと、フィジカルもチームメイク、ゲームメイクもかなり高いレベルでチームが維持されている。この日も、前半でサンゴリアスに大量点を取られても、全く焦りを感じさせるシーンがなかった。

この揺るぎないチームは、サンゴリアスに勝利して１１連勝とし、まだまだ強さを維持し続けることを確信させることを示したこの日の結果だった。対するサンゴリアスは、一昨年のボーデン・バレット、昨年のダミアン・マッケンジー、そして今年松島幸太郎と実力のあるスター選手をバックスに配置するものの、フォワードの組織力でややワイルドナイツに劣ることで、どうしても終盤に乱れが生じてしまう。組織づくりを誤ると、このチームはどんどん衰退してゆく可能性がある。

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