TAR/ター トッド・フィールド監督
キネノートのレビューはこちら 「TAR/ター」
TÁR - Official Trailer [HD] - In Select Theaters October 7
劇場は満席だった。
もしかするとこれはとてつもない映画を見てしまったのではないかと感じさせる映画。要するに過去に見たこともない映画だ。そして簡単に説明ができない。画面を隅々まで集中して見てもわからない。解説なしではとても難解で理解できない映画だ。恐るべき映画。
もともとは主人公を男性俳優にする予定だったらしい。それを敢えてケイト・ブランシェットにしたこと。そして彼女が映画の中で話すドイツ語など、細かい背景に意味がある。そして言うまでもなくこの映画は音楽を軸とした映画だ。なので”音”について神経をすり減らす人々と、人間関係で劣化してゆく関係など、ものすごく細かく丁寧に描かれている。
過去の傑作よ呼ばれる映画へのリスペクトも意味深い。これを言い出すと数限りないが、わかりやすいところで「ベニスに死す」や「地獄の黙示録」がそれだろう。傲慢な同性愛者が自らの出自をたどる、という意味でこの2作品は今作に特別の影響を与えているだろう。
ぐったりとうつ伏せているターを動画撮影するシーンと、最後にコスプレの観客をカメラがパンして終わるという脈絡を逆さまにすると全てがつながる構造になっている。つまりこの映画は必然的に2度見ることが必要ではないか。全てがつながったとき、初めてこの映画の恐るべき主張が伝わると思う。
そして、やはりこれは映画館で見るべき映画だ。ターが指揮を振るうシーンの心臓を貫くような大きな音。あれは映画館でないと伝わらない。この映画は深く考える映画であるがゆえに、映画館という暗く密閉された空間で鑑賞することを求められる映画だ。
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