エリザベート 1878 マリー・クロイツァー監督 「追い出してやる!」

エリザベート 1878

日比谷シャンテで鑑賞。劇場は朝から大入りで、言うまでもなく年配者がほとんど。自分も含めて。オリジナルタイトルは「コサージュ(花飾り)」。マリー・クロイツァー監督作品。


Corsage - Official Trailer | HD | IFC Films
オーストリアの映画ということもあって、主人公を演じたヴィッキー・クリープスがかなり思い入れ強くして作られた映画のようだ。インタビューにそのことが詳しく紹介されている。本国では、皇帝を演じた俳優のスキャンダルで映画にも重なるような話題が作品の外で展開されているらしい。とても素晴らしい俳優なだけに、残念な事件だ。


これは若い女性が見るべき映画だ。


劇場には年配の方が多かったようだが、社会から虐待されている人たちがこの映画にどれだけ共感できるか。虐待は必ずしも力でねじ伏せることで行われるものではない。そのことがこの映画で整理されている。ある種ホラー映画と言えようか。


冒頭、みずがぴちゃぴちゃと浸る音からこの映画は始まる。そして部屋にある浴槽を見下ろすメイド。そして・・・このシーンはこの映画の全てを説明している。主人公の皇后エリザベート(シシィ)がどういう心境なのか。ドラマは1878年の1年という限定した期間を描く。たった1年でシシィに与えられたストレスやプレッシャーがどのように彼女を蝕むのかを延々と描き続ける。厳しく暗く痛々しいシーンが続く。


そして彼女が最後に何を求めていたのかを示す。エンドロール中に席と立つのはやめたほうがいいだろう。最後の最後の、本当の最後に彼女の本当の気持ちがチラリと写されて終わる。衝撃のエンディングだろう。(「アバウト・レイ」が思い出される。)


素晴らしい映画だった。男性の立場からも、この映画の本当の意味を探るべきだろう。


上野千鶴子先生のフェミニズムについてのコメントは、この映画を理解する支えになるのではないか?

フェミニズムは女が男のようにふるまいたいとか、弱者が強者のようになりたいという思想ではない。フェミニズムは弱者が弱者のまま尊重される思想なのだ。(上野千鶴子)

フェミニズムだけでなく、さまざまな局面で思いを馳せるメッセージだ。


ヴィッキー・クリープスのインタビューも素晴らしい。

若い女性たちに対しての警告の気持ちがありました。他者の視点で自分について考え続けると、それだけで人生は終わってしまう。抜け殻のようになるかもしれない。だから、この映画を通して、セレブカルチャーの危険性について話す必要があると思いました。

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この映画を見たあと、処理水問題などで隣国に不愉快な思いをさせている日本人が、本気でこのような発言をしていることを遺憾に思う。「追い出してやる!」とはあまりにもひどい。どうしてこういう発言に至るのかを知りたい。ぜひ教えてほしい。

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