#浜田省吾 ON THE ROAD2023② 「ゲルニカ」 「A free-for-all」
2012年のライブも東日本大震災の災害復興ライブと題されたタイトルだったが、この日のライブが始まる前、場内アナウンスでJ.S.Foundationの取り組みについて説明があり、今年のはじめに起きた能登半島地震に全てを寄付するということだった。
グッズなどを少し買って、開演よりだいぶ前に入場して待機。
これまでで最もアリーナに近い席で、鑑賞環境はこれまでで最も良かった気がする。始まる前にBGMで浜田省吾が歌うオールディーズが流れる。これはライブの途中、休憩時間にも映像とともに流される。そして時間きっかりにスタート。オープニングは「愛の世代の前に」。ここは衝撃だったが、ステージスクリーンに大きくピカソの「ゲルニカ」が示される。
♬憎しみは憎しみで
怒りは怒りで
裁かれることに何故 気づかないのか♬
いまこの社会が憎しみで包まれていることをたっぷりとメッセージに乗せる。浜田省吾の楽曲の裏に隠された強い政治性がいきなりぶつけられた。浜田省吾を理解する者はきっと、”愛”というリンクスに別の意味があるのを知っている。2曲めは「壁にむかって」。
♬奴等は乾いたところで笑ってられる
だけどいつまで それも続くか 逃げ出せもしないで♬
5曲目の「いつかもうすぐ」のあとMC。久しぶりにツアーを楽しむように、あらためて自分がソングライターを職業としていることをつぶやく。そしてそれは、誰かの思いを代弁するような仕事で、次の曲「もうひとつの土曜日」もそういうイメージの曲だと説明する。
♬もう彼のことは忘れてしまえよ♬
前半最後の曲アルバム「DOWN BY THE MAINSTREET」から「MONEY」
♬Money Money makes him crazy
Money Money changes everything♬
この曲の最後をThis countryと加える。「ゲルニカ」から始まった前半に、浜田省吾の厳しいメッセージが込められていたように感じた。自分が追いかけた省吾はまさにこれだ。
ここで前半が終わり、休憩時間に動画が流される。
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いわゆる「観光公害(Tourism pollution)」の記事。先ごろ挑戦があった京都は自由な街ではない。古い慣習に拘束された秩序正しい街である。それが自由を求めて翻弄されるというのは、この国の秩序が乱されることに重なる。海外が来られた方が道端にゴミを捨てるのは、そのあと掃除する人の雇用を守るため、という意識が隠れている。ところがそういう仕事に就ける方も高齢化が進み、もう存在すらしなくなっている。
“The problem is that people here want the best of both worlds – to have a quieter life and make money – but it is only going to get worse as more people arrive. Kyoto is becoming a free-for-all,”
「問題は、ここの人々が静かな生活とお金の両方の長所を望んでいることですが、より多くの人々が到着するにつれて状況は悪化する一方です。京都は自由な街になりつつある」