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#詭弁社会 #山崎雅弘 著

詭弁社会 日本を蝕む”怪物”の正体 (祥伝社新書)
詭弁社会 日本を蝕む”怪物”の正体 (祥伝社新書)
祥伝社
Digital Ebook Purchas

祥伝社から出版された本を早速読ませていただいた。
山崎雅弘氏は、このブログでも少し紹介した(「差別主義者の教科書」)名誉棄損訴訟で「校正な論評」を立証した方だ。


はじめに、「詭弁」について広辞苑から引用している。


命題や推理に関する論理的操作によって生ずる一見もっともらしい推論(ないしはその結論)で、何らの誤謬を含むと疑われるもの。相手をあざむいたり、困らせる議論の中で使われる。


あざむく、困らせる、というやりとりは政治家の記者会見などでも行われている。著者はこれらの詭弁について、実例に基づいた検証と、これが人間の思考に及ぼす影響、そして過去の歴史に照らして昨今の「詭弁」が社会を深みに陥れていることを3部構成で紹介する。


詭弁の実例を読み進めると、丁寧な言葉にこそ傲慢な姿勢が見て取れる。憲法に基づく臨時国会の招集請求を閣議でパスする詭弁。これらは上から下に申し渡すという姿勢の裏返しでとても危険だという。さらによく耳にする「安心・安全」という詭弁。安心は人の内面にある(主観的な)ものであって、安全は客観的なものだ。それを詭弁で誤魔化す行為はまさにプロパガンダ効果とも言える。国民は常に騙される側にいる。


特に著者は、菅首相時代の「学術会議人事への介入」に厳しい批判を向けている。イギリスの「ネイチャー」誌が「学問の自立性と自由を政治が後退させる」と書いたことを受けても、詭弁として「人事に関することは、答えを控える」として無視してしまう。学問をはじめ、広く専門的な立場で研究する者にとって、この対応はファシズムと言っても過言ではあるまい。


そもそも、学問と教育の分野で、我々は「批判的思考」を教わることがない。言われたことを言われたとおりにやることしか学んできていない。こうした日本の習慣は世界から大きく遅れをとっていているそうだ。これをもって著者は「詭弁ウィルス」という言葉でこの国の実情に懸念を示している。日本人が情にもろいことをいいことに、論理を情緒にすりかえる。例えば「戦後の日本があるのは、日本軍人のおかげ」という政治家が時々口にする言葉は、まさに詭弁の象徴だ。


日本は1937年の盧溝橋事件から端を発した世界戦争の道と同じ過ちを再び繰り返そうとしている。著者はこれらの現状を黙って見過ごすメディアと教育に強い懸念を示す。報道の自由度が低いうえ、批判的思考も学ぶ機会がない日本。



この本を読むと、この先、遠くない未来に、恐ろしいことが起きることを予感させる。



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