イクイノックス 天皇賞秋2022

初めて天皇賞を観戦に東京競馬場に行ったのはいまから33年も前のことだ。競馬場も世の中も大きく変わった。この日一番人気だったオグリキャップが武豊騎手騎乗のスーパークリークに惜しくも敗れた日である。オグリキャップには南井騎手が乗っていて、この年に多くのドラマを演出した。3着のメジロアルダンに岡部騎手が乗っていて、岡部騎手もオグリキャップに前年の有馬記念で乗っている。武豊騎手は翌年の安田記念と有馬記念でオグリキャップに乗っている。オグリキャップの背中を知る三人の三つ巴戦でもあったのだ。

1989年という年は、いま振り返るとすごい年で、東西冷戦構造が終わり、ベルリンの壁がなくなった年である。そんな年の東京競馬場のドラマがいまも鮮明に蘇る。


そして今年の天皇賞秋はルメール騎手が乗った1番人気イクイノックスが人気に応えて勝利。

逃げ馬パンサラッサが1,000mを57秒台というとてつもないスピードで先行。

後続馬の追い込みはラスト200m。

ゴール前でイクイノックスが交わして勝利。

逃げたパンサラッサが2着に粘ったようだ。

3歳馬の勝利は昨年に続いて2年連続。イクイノックスの父キタサンブラックもこのレースを勝っており、親子2代制覇。ルメールはこのレース4勝目。
凱旋門賞に向かったダービー馬ドウデュースがジャパンカップに向かうということなので、そこで結果をもたらせば、菊花賞馬アスクビクターモアとイクイノックスの3頭で有馬記念を競うとなると大変な盛り上がりになるだろう。いずれもサンデーサイレンス系の良血だ。サンデーサイレンス系の特徴は、競って強さを発揮する反面、負けるときはあっさり潔く負けるというパターンが多く、この3頭がかつてのTTGのような結果をもたらす可能性は少ないが、メディアが盛り上げるには十分の舞台が揃いつつあると言える。


そして地球の反対側、南半球最大のイベントと言われるメルボルンカップも開催される。
メルボルンカップが開催される日は、祝日になるらしい。かつて日本馬も活躍したこの長距離レースの結果も楽しみだ。

あちらの競馬場は、馬券目的というより、ファッションを競っている。

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