怪物 是枝裕和監督
「怪物」 ← キネノートのレビュー。
是枝監督の映画はオープニングで語り尽くせる。この映画の冒頭のシーンも息を殺して丁寧に見るといいだろう。「万引き家族」でリリー・フランキーさんの父親が息子に万引きを指図する目線。「ベイビー・ブローカー」で坂を上って子供をロッカーに置きに来る母親の背中。いずれもこれらのシーンが雄弁に映画を語り、結末までも示している。そして子供への愛情。「誰も知らない」や「奇跡(2011)」や「そして父になる」も、いずれも子供を自然体で演技させる。ドキュメンタリー出身であることだけがその理由ではないだろう。是枝監督の示すテーマと映画は常に現実を取り上げる。
したがって今回の映画もまた、子供たちの後半カテゴリーは涙なくして見ることができない。子供たちが自然の中で駆け巡るシーンはもうたまらないほど愛らしい。過去の是枝作品も見事だが、今回は自然の中でたわむれるふたりの少年と、彼らを逆風に見舞う台風や社会構造など、ありとあらゆる点が具号する作りになっている。
誤解を恐れずに言えば、この映画の中に真の怪物は存在しない。誰かを怪物扱いしようとするのは簡単で、田中裕子さん演じる校長先生や中村獅童さん演じる父親も、もしかすると怪物に当たるのかもしれない。しかし映画はこの映画の中で、怪物を特定することはない。それがこの映画の言わんとするところなのではなかろうか。
しかし、是枝監督はこのことで社会批判を強く押し出すことはない。インタビューの中で是枝監督が「祝福」という言葉を選んでいるところに深い意味があると思う。
MOJIさんのブログレビューも素晴らしい。
「銀河鉄道の夜」か。
なるほど、これは「羅生門」でもある。
★
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