藤本清さんの実況も懐かしい「あなたの夢はなんですか？」という問いに「万馬券」と応じたくなる宝塚。過去５年を見る限り、夢の１番人気馬はあまり分がよくないようだ。クロノジェネシスの圧勝劇が衝撃的だったが、あの年も彼女は２番人気だった。

言うまでもなく今年の主役は昨年の年度代表馬イクイノックスなのだが、その理由はこの馬の３歳時の活躍よりも、ドバイでの遅ろくべき大逃げによるものだろう。追ってよし、逃げてよしのこの馬が、果たして凱旋レースでどのような展開に持ち込むのかが興味の中心だった。


そして結果はイクイノックスの圧勝。ドバイとはうってかわって最後方から２頭目につけたイクイノックスのルメールは、前半1,000ｍ５８秒代のハイペースを読んでか、ずっと馬と折り合いをつけ、４コーナーから大外に持ち出して、測ったようなレースを勝ちきった。

２着に１０番人気の牝馬スルーセブンシーズ（父ドリームジャーニーは宝塚記念を勝っている）３着に２番人気ジャスティンパレス。この２頭はいずれも前走でルメールが手綱を取っている。

この結果で、イクイノックスは世界の競走馬レーティングの１２９ポイントで１位をキープ。オーストラリアのゴールデンシックスティ、ニュージーランドのラッキースワイネスの１２５ポイントを大きくリードしている。

このまま順調にいけば、今年の秋以降の活躍次第で、２０１４年ジャスタウェイ以来の日本馬によるレーティング１位獲得の夢が広がった。

日本人としてこれほど楽しみはないが、個人的にはさらなる海外馬との対戦で、本当の強さを発揮してもらえるとなお嬉しい。レーティング争いの南半球の馬たちと香港で対決するか、凱旋門に向かうか定かではないが、最強馬の直接対決を見てみたいという気持ちも強い。

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