#ダリチョコ の映画とグルメ

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#シネマ秘宝館 83 ゴ⚫ラ公開記念+1

久しぶりにシネマ秘宝館に行ってきた。開演前に阪神タイガースの映像が流されて盛り上げる。いま大阪は大変な盛り上がりだろう。

同じ週に公開された「ゴジラ−1.0」にちなんだ企画は、けいとらひろゆき監督の「ゴジラ対メカゴジラABC」から始まる。タイトルとは裏腹に「ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃」ネタで笑った。けいとら監督曰く「仕事は多いけど、円安の影響で海外への下請けが逆転現象になっている。」というお話はリアルだった。

岸本真季監督の2本も笑う。展開の早いお話はセンスが高い。お一人で作られているらしいが、編集も素晴らしくて惹き込まれる。

坂部敬史監督の「怪獣少女」。この作品はこの日の秘宝館のテーマに最も近い作品だったと感じる。神話としての怪獣があって、少女が誤って人形のツノを折ってしまう。少女間の緊張した関係が社会を照射する。公開された「ゴジラ−1.0」には、こういう人間関係の機微を描くシーンがない。町のスピーカーから「怪獣が現れました」と放送されるシーンは、自分が子供の頃「光化学スモッグ注意報」を聞いたことを思い出す。海からではなく山から怪獣が現れるという意外性も刺激的だった。

休憩をはさんで山村もみ夫。監督の「ストレスフルスイング

個人的にはこの作品が最も印象的だった。素晴らしかった。バッティングセンターで打席に立つ主人公にピントが合い、スイングしてもボールにかすりもしない。このシーンが何度も何度も繰り返される。打てなければ打てるように工夫するものだが、この主人公にはそのつもりがない。40歳でコンビニのバイトをクビになり、社会性を失った主人公がすぐキレる。アンガーマネジメントをすべく、6秒ルールを教わるがそれもうまくいかない。ある種のモラトリアム的な主人公は誰もがシンパシーを感じ、自分に置き換えることができるはずだ。振っても振ってもバットにボールが当たらない、というストレスを抱えて生きる中年男の悲哀は侮れない。

続いてペキサイト監督はシネマ秘宝館の常連。

双翅軍雷攻(そうしぐんらいこう)」はペキサイト監督らしいシニカルな作品で「紅の豚」や「スターウォーズ」を連想させる。知的な作品を連発するエネルギーがすごい。

中嶋政彦監督は、古い作品をリマスタリングするが、途中でネタが切れてしまうというお笑いもあって盛り上げる。

第三部は今井聡監督の2作品は、人形を使ったアクションもの。まるでセーラームーンなどを彷彿とさせる展開に圧倒される。

最後の大トリは松岡洋和監督の「伊那谷じじぃさんぽ」

もともと玩具メーカーご出身の松岡洋和監督は、この作品で実相寺昭雄のフィギュアを使って展開する衝撃作。ラストを飾るのにふさわしい盛り上がりの作品だった。

こうして見ると、ゴ⚫ラというきっかけに始まり、特撮や怪獣映画などを並べた今回の秘宝館だが、大手映画会社が強引に押し付けるドラマ性よりも、なにかにこだわって現実を拾い上げる自主映画のほうが学びがあって真のエンターテインメントとして楽しめる確率が高いことを示していると思う。今回公開された「ゴジラ−1.0」のような愚かな映画より、感性と知性を奮い立たせる作品が並ぶ企画だったと思う。


返す返すも「ゴジラ−1.0」などを見るよりは、秘宝館に集まる監督の作品を追いかけるほうがいいと思う。
(=^・^=)

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