サンダーフォース
ネットフリックスの『サンダーフォース』を見た。極めてしょうもないドラマなのだが、なんとなくメリッサ・マッカーシーに対する感覚がずいぶん変わってきた、ということを思うのだ。彼女のどのドラマもしょうもない話ばかり。しかも得体のしれないギャグを連発する。太ったおばさんの滑ったギャグの連発はあまり気持ちのいいものではなかったが、少し違って見えるようになってきた。
きっかけの一つはDCコミックスの『ザ・キッチン』だろう。これもまたしょうもないヒーローものだが、虐待された女性を次々とヒーローに仕立て上げる暗いドラマだった。そしてもうひとつは2011年の『ブライズメイズ』だ。彼女はこの映画で数々の賞を受賞している。この不思議な映画の不思議な役。かつてスパイだったという男勝りの彼女の存在感が映画を支配している。
メリッサ・マッカーシーはまるで時代とは合わない、昔ながらのギャグを連発するだけの人なのだが、彼女が存在する映画の背景はかなり深刻だったりする。『ザ・キッチン』の男尊女卑、この映画のメディア支配、あるいは科学の進化がもたらす逆進性など、様々な問題を映画の脇において、彼女の存在感だけで押し通すという強引な映画ばかりだ。ワイヤーアクションで暴れまくる彼女の姿はある意味涙ぐましい。
そしてアメリカの現代社会で「何をやってもうまくいかない」貧しさを如実に示しながら、最後にヒーローに仕立て上げるという展開はわずかな救いでもある。この不思議な存在感はどういうわけかアメリカで大きな人気を得て、次々とこのしょうもない映画を生み出すのである。社会は常に揺れ動いている。メリッサ・マッカーシーはこの揺れをあるときは自ら動かし、時には揺れに乗りながら存在感を示し続けているのだ。
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