かめや 新宿
新宿に勤めていた時代がある。「思い出横丁」の先、小滝橋通りを大久保に向かったあたりの小さな会社に数年お世話になった。新卒で入った会社のOBが社長をしていて、人が足りなくて困っている、ということでそれなりの条件で転職した。忙しかったがいい時代だったと思う。そしてよく飲んだ。飲んで飲んで酔いつぶれた。場所柄もあっていろいろいい思いもさせてもらったが、今思うと全てが無駄だったと思う。バブルとは無駄なものだった。必要のないものだった。そのバブルに踊るのは所詮下々の人たち。奴隷のように働く会社員など。そんな愚痴を重ねて酔いつぶれたとき、必ず寄るのが蕎麦屋だった。朝となく夜となく、しょっちゅう寄っていた。
そのひとつがここ。
映画を見に新宿まで出た日、ここでゆっくり朝飯をいただく。カウンターしかない席は満席だ。でも少し待てばすぐ席が空く。
ダーリンさんはわかめそばに半熟卵をトッピング。
こちらは迷うことなく定番の天たまそば。迷わない。
狭い厨房にはいつも二人で作業していて、ひとりはこの天ぷらを揚げるのに専念している。いつも同じ店員さんというわけではないが、とにかく大昔からずっと存在する店だ。何よりこの濃い味のスープがたまらない。いかにも江戸のしょっぱい味。名古屋が味噌文化なら東京は醤油文化だろう。その究極の味わいがここにもある。上品でないところがいい。
見上げれば下品なトイレの看板と桜の造花がいかにもこの場所らしい雰囲気を醸し出す。この汚れた狭い空間で過ごすわずかな時間に永遠を感じる。
★
こんなブログもやってます(=^・^=)
KINENOTE
Filmarks
goo
FC2
Muragon
seesaa
Livedoor
楽天ブログ
ameba
wordpress
Hatena
にほんブログ村
人気ブログランキング
Twitter
Facebook
ブロトピ:映画以外の記事で!ブログの更新をブロトピしましょう!!
政治経済 新聞記事 グルメ日記 スポーツとダイエット 愚痴 旅行散歩 映画読書





