#成瀬は天下を取りに行く #宮嶋美奈 著
- 成瀬は天下を取りにいく 「成瀬」シリーズ
- 新潮社
- Digital Ebook Purchas
あまりアテにしていない本屋大賞ではあるが、今回はなかなか面白くて圧倒された。自分の思い出と重なり合う部分もあって、どうでもいいシーンでうるっとくる。不思議なドラマだ。
滋賀県の膳所に住む成瀬 あかりといとんでもない少女を軸とする物語。7つのエピソードで構成されているが、はじめのふたつは成瀬と中学校時代の友人、島崎 みゆきの話し。まもなく閉店する西武百貨店前で放映される地元テレビ番組に映ろうと、夏休み毎日通うといいだす成瀬に島崎がつきあうという、たったそれだけの話し。
そしてこのふたりがM1グランプリに「リリカラ」というコンビ名で出るまでのドラマが続き、ここで風景が急に変化する。「階段は走らない」というエピソードでは、大阪で働く男性の主人公が閉店する西武を惜しみつつ同窓会を開くという話し。この章の最後にチラリと成瀬が登場して重要な存在感を示す。
「シャボン玉を極める」
「200歳まで生きる」
「けん玉を極める」
など個性豊かな存在感の成瀬は、かるた部の大会で知り合った広島から来た高校生にもインパクトを与え告白される。「誰にも似てない」ところが魅力だと告白されても冷静に対応する。とにかくスケールの大きな存在だ。
高校の同級生が東大受験のためにオープンキャンパスに行ったら、偶然そこに成瀬がいる。そして成瀬に連れられてある場所に行って記念写真を撮るとき、成瀬の目に涙がこぼれる。
「将来わたしが大津にデパートを建てる。」
このスケールの大きな発想はいまの日本人に欠けてないだろうか。チマチマした目先の利益をさぐるうちに、成瀬のような天下を取ろうというほどのスケール感が喪失している気がする。かたや、地方都市の百貨店がなくなり都市化に偏りが生じている現象に、成瀬は真っ向から挑戦しようともしている。
- 成瀬は信じた道をいく 「成瀬」シリーズ
- 新潮社
- Digital Ebook Purchas
すでに続編が出ているらしい。
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この中で読んだ本は限られている。
#52ヘルツのクジラたち #町田そのこ 著 「#複合危機」 - #ダリチョコ の映画とグルメ
原作は読んでないが、映画を見て感動した。これは、あまりにもつまらなくて途中で断念。
くだらなくて面白かったが、どんな内容だったかも覚えてない。
ほかにも映画になった受賞作はまだたくさん見ている。
