#マダム・ウェブ S・J・クラークソン監督
「マダム・ウェブ」
MADAME WEB – Official Trailer (HD)
公開二日目の午後、上野御徒町で鑑賞。テレビシリーズの「トゥルー・コーリング」を思わせる未来予知能力を手にした救命士を主人公とするドラマ。S・J・クラークソン監督初の長編作品。
ある意味でこの映画はスパイダーマンシリーズの原点に遡る作品となっている。この映画にはいくつかの秘密が隠されているのであまり多くを語れないが、マーベルのスパイダーマンシリーズの軸を維持しながら、随所におなじみの人物を散りばめる。そもそもこのドラマの舞台となったのが2003年。トニー・マグワイアがスパイダーマンを演じた映画が2002年に公開されている。「スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム」でとてつもない総括を行い、時間軸という意味で「スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース」でさらなる進化の道へと解き放たれたシリーズを、より詳しく知るために不可欠な作品がこれだと思う。
しかしこの映画はスパイダーマンシリーズの知識などなく見ることができる娯楽作であるばかりでなく、(個人的な思いになるが)古くから映画を見てきたものにとって、言葉にしがたい大きな感動が用意されている。この映画の主人公になぜダコタ・ジョンソンが選ばれたのか?という問いに、この映画は見事に答えを用意している。長く映画を見続けてきた者にとって、孤児として育てられた主人公のキャシーが自分の出自を巡って母親の過去を探しに行くシーンは慟哭するほどの感動があった。
ダコタ・ジョンソンというと、ルカ・グァダニーノ監督作品が印象深いが、中でも1969年にアラン・ドロンが主演したジャック・ドレー監督の「太陽が知っている」をリメイクした「胸騒ぎのシチリア」の体当たりな演技がとても素晴らしかった。「ザ・ピーナッツバター・ファルコン」や「ロスト・ドーター」を見れば、彼女がただ者ではないことがわかるはずだ。
映画が期待の興行成績に及ばず酷評されていることを残念に思う。
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