MUCA(ムカ)展① 森美術館
在京している弟と六本木で落ち合って森美術館へ。
森美術館はいつ以来だろうか。
もしかして3年ぶり?
日本でも人気のあるカウズ作品が入口で待ち受ける。この作品も数年前に見ている。
しかし狙いはこの作品の向こうにある小さな箱のようだ。要するに、街のあちこちにまるで捨て置かれたようなものに作品の価値を見出そうとする。それを作品だと認識できるかどうか?という問いがこの展示には隠されそうな気がする。
先に進むと「Shepard Fairey」のスペースには、彼の壁画の一部が紹介されている。アンドレ・ザ・ジャイアントを壁に描いた実績もあるという。映画にもなっているらしい。
Vhilsの作品も壁画だ。たまたまだが、先日弟と話題になったポルトガル出身のアーチスト。表情を建物や壁になじませる。アニエス・ヴェルダが晩年に撮った「顔たち、ところどころ」という映画に協力したJRの作品もある。彼の取り組みは人々を微笑ましくさせる。
Richard Hambletonの作品は影。その影がまるで銃弾で頭を撃ち抜かれたような幻影を映す。
そのは背景にある進入禁止の交通標識もまた意味深い。彼こそはストリートアートの先駆者と呼ばれる人物だけあって、切り口がシビアでシリアスだ。
ここまで見ると「MUCA展」が、「公共の破壊」を狙うものではないかと感じさせる。
そしてドイツ郊外にあるこの美術館もまた、都市型の美術館とは距離を置く場所であることを認識させる。
極めて刺激的だ。
つづく・・・
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