釜めし むつみ 浅草
雷門のインバウンド喧騒を抜けて、浅草寺の裏手に出ると、やや静かな町並みがあって、その一角に小さく佇む「むつみ」。
のれんをくぐると「ちょっと待ってね〜」という声がかかり、ほんの少し外で待たされる。時間は午後2時少し前。
気さくな男性が説明してくれる。席はあるけど、釜めしを作るのに時間がかかるので、3時半の閉店ぎりぎりになる可能性があるとのこと。それでも構わない旨を伝えると、1階の隅の席を用意してくれた。なんとも古くて味わいがあるいいお店。
まずはお通しから。
そして旬の若筍を食べる。わかめも美味しい。
「しんじょう」は「しんじょ」とも言うらしい。ぜいたくな食感だ。
これはクジラの竜田揚げ。こんな料理を口にする機会はもうほとんどなかろう。しかもこの店の竜田揚げは、言われなければクジラとわからないほど柔らかく、ほとんど筋張った食感んがない。クジラというと歯ごたえのあるゴムのような食べ物という印象だが、この店の竜田揚げは全く違う。
聞くところによると、おこげを強めにお願いするともっと香ばしくしてもらえるらしい。途中で体格のいい店員さんがおこげを釜の底からひっくり返してくれる。至れり就くせりだ。
釜めし好きにはたまらない料理が続くが、最後に鯛のおかしら(カマ焼き)もお願いする。これは裏メニューだそうで、お品書きにはない。食べごたえのある料理だ。大味の鯛を塩でうまく味付けして飽きさせない。
店内には浅草にありがちな著名人のサインなどが乱立しているが、いずれも所定の額縁(短冊)におさめられている。
中でも魅力的なのがこれだ。
なぎら健壱さんの文字とその言葉のありがたみを味わう。料理とはこうだ。そして酒がうまいかまずいかもまた然りだ。
なんという心地よい午後のひとときだろう。食べるものが美味しいと心も豊かになるような気がする。そしてまた明日から頑張ろうと思える。このしょうもない毎日をだらだらと過ごし、またしょうもない明日に向かうために、多少の酒と美味しい料理があればなんとか耐えられるというものだ。この崩れ行く国で、長く守られた暖簾だけが救いとも言える。
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