トゥ・レスリー マイケル・モリス監督
「トゥ・レスリー」
TO LESLIE - Official Trailer
久米宏さんのコメントが真に迫る。単館公開で、制作側もすぐに忘れ去られるであろと予定して低予算で作られた映画のようだが、何しろ主演のアンドレア・ライズボローの演技がすさまじく、業界関係者の口コミもあってあれよあれよという間にアカデミー賞にノミネートされるまで拡散したという。映画そのものの価値も高いが、俳優の演技だけで映画が世界に広まるとは、その強さを実感する。マイケル・モリス監督にとってこれが初の劇場映画。
個人的に去年のベストワン作品だった「ドライビング・バニー」が重なった。追い詰められた母親が社会性を失った行動を続けてしまう映画とでもいうべきだろうか。とにかく素晴らしい映画だったが、あの映画に匹敵するレベルの高い映画、そして主人公の女性の演技。
自分を消して自分をさらけ出す。
役者として命だけで作品と対峙することの厳しさを想像させる。しかもこれはアルコーホリックの映画だ。依存症の映画。家族にも愛する息子にも見捨てられた主人公がどんどん自分を失ってゆく経過が延々とリアルに描かれる。お金がなくなれば盗みをはたらき、男に声をかけて嫌われる。このふしだらな女性演じるアンドレア・ライズボローの覚悟を目の当たりにする。すごい!
それにしても久米宏さんのコメントに戻るが、ここまで破綻した人間がこの世に生まれた以上死ぬまで生きなければならない地獄。これが社会の現実というものなのだろうか。主人公が宝くじに当たってからわずか6年で無一文になって、残ったのは依存症という病だけ。そんな人生に救いがあるというのだろうか。この映画の中ではまったく触れられていないが、彼女が依存状態に陥る理由こそが本来問われるべきではないかとも思う。
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