教育大国シンガポール② 「フェミニズムの罠」 中野円佳著 「人見知り」
賞賛という蜜の味
学校は褒めてくれないけど、塾は褒めてくれる
成績がよければいいという教育は、差別やハラスメントに繋がり、レイシストを生む
「ジョジョ・ラビット」や「ファイナル アカウント 第三帝国最後の証言」などで取り上げられたヒトラーユーゲントがよぎる。愛国という甘い言葉に酔いしれると、いつしかカルト的な集団となって国家を壊滅的は方向へ導く。そう、かつてのあの国のように。愛国主義が過ぎると排外主義も高くなるという。
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第Ⅲ章 「教育役割」の罠
この章では、民族的な意味で微妙なシンガポールのメイドシステムについて紹介されている。
メイドについては、雇う側と雇われる側の合意が不十分でトラブルが続出しているらしい。特に多人種のメイドを抱えると面倒が多くなる。では祖父母に預けるとどうかというと、それも孫に対する極端な甘えになってよろしくない。子供の教育において母親が担う負担はこの国も同じで、自ら働きながらメイドや親族を頼りに子供の塾や習い事を支援する。日本と同じで子供と親の両方を世話するサンドイッチ世代も多く、且つ超少子化が進んでいるということのようだ。
教育先進国のシンガポールでも、母親の役割と負担は大きいらしい。
第Ⅳ章 「教育と仕事の両立」とジェンダー平等
前述のとおり、シンガポールでも女性の家事労働時間が男性より長い、という問題は、賃金格差の問題に直結する。そして女性へのインタビューで「やりたくて働いているわけではなく、子供にお金がかかるから仕方なく働いている。」という本音も聞こえてくる。お金さえあれば専業主婦をしたいという女性も多いのかもしれない。反対に、子供の立場からしても、親が共働きで良い思い出がない、という声もある。
友だちの家に行くと、お母さんが「今日はどうだった?」とか聞いてくれてうれしかった。自分の親は何も聞いてくれなかった。
これを”共働きの不都合な真実”として、著者は整理している。文化として新自由主義が根付いているシンガポールの現状を示しつつ、最後に上野千鶴子さんの言葉を引用している。
フェミニズムは女が男のようにふるまいたいとか、弱者が強者のようになりたいという思想ではない。フェミニズムは弱者が弱者のまま尊重される思想なのだ。
心に染み入る素晴らしい言葉。自由化や愛国主義という聞こえのいい言葉に踊らされて、全てのツケを背負わされるのは国民だ。そしてその過程には必ずおぞましき為政者が存在する。高齢化した社会は死にゆく高齢者の都合で国が左右され、未来を担う若者のことなど考えない。そのことを強く印象づける素晴らしい結びだったと思う。
感動した。
過去にフィンランドの教育についての記事があって「キヴァ・コウル」という人名をつけた教育プログラムについて興味深い内容が示されていた。子育てに使ってはいけない言葉があることを学んだ。今さら遅いが・・・
関連時期を一番下に並べた。
咄嗟の恐怖感情は、お互いが理解が足りないからだろう。しかし理解しようとする意思がないと理解は生まれない。村八分社会の排他的恐怖は「人見知り」から生じる。勤め先でもそういう人はいる。どこにでもいる。
関東大震災で流れた「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマだが、当時の日本人には「朝鮮人は日本の支配を恨んでいる。報復してくるだろう」という恐れがあった。普段から密な相互理解、意思疎通があれば、デマの蔓延も抑えられた。咄嗟の恐怖感情で間違いを繰り返さないため、歴史に学ぶ必要がある。
— 一水会 (@issuikai_jp)
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