鎌田實先生の本は色々読ませていただいた。「雪とパイナップル」とか「いいかげんがいい」などは、いまもよく思い出す。大げさかもしれないが、日常の会話に先生の本のことが出てくるほど身についているような気がする。共著になるが「くらべない生き方」という大平光代さんとの対談も極めて印象深かった。鎌田先生と大平さんの壮絶な人生を重ねて胸がきしむ思いだ。

さて、
そうした鎌田實先生のキャリアを踏まえて、２０２１年にリリースされた本を読ませていただいて、”健康”についてあらためて考えさせられる思いがした。
このブログでかつて紹介した、和田秀樹さんの本などが重なるかもしれないが、鎌田先生の今回の著書は写真やイラストなどをふんだんに使った実践編だった。

第１章　筋力アップ

筋力アップについて、無理なくトレーニングできるものばかりだが、このフロント・ランジとバック・ランジを早速初めてみたものの、これが結構きつい！翌日足腰に痛みを感じるほどだった。今年１０年ぶりにゴルフを再開したが、結構負荷がかかってつらい思いをしている。これは明らかに運動不足による体力の低下だろう。

第２章　「おうちジム」
まず「食事だけのダイエットは危険」と書かれている。それは筋肉の減少は骨粗しょう症などの原因となるので、なるべくタンパク質を多めに摂る。これを「貯筋」と言うそうだ。特に年をとると握力が低下する。また、コロナなどの影響で巣ごもりしがちになる高齢者も増えているそうだが、これは「脳」の機能を低下させるので、なるべく積極的に外へ出て歩きべきだとも書いている。先日、久しぶりに名古屋に出かけて、昔お世話になったみなさんとワイワイやったけど、たしかに久しぶりに声を出した感じでほとほと疲れてしまった。引きこもりに慣れてしまったせいだろうか。

第３章　９０歳になってもレストランに行ける食事術
１日に８０ｇ程度のタンパク質を摂取するにはどうしたらいいか、という話題だ。これが簡単そうで難しい。

筋トレした後にタンパク質を摂るのがいいとも書いてある。これもなかなかできそうでできない。体重増加は要するに体脂肪の増加なので、脂肪より筋肉を維持するための食事をこころがけるべきだ、ということのようだ。

第４章　ズボラで楽しく生きる
４０歳をすぎると年１%筋力が減少するようだ。筋力が落ちると背中が丸くなる。うつや不眠の遠因にもなる。ウォーキングで季節の変化を楽しみ、毎日太陽の光を浴びて日光浴することで維持できるとか。脳卒中などを防ぐにはこれらの運動に加えて、減塩と野菜を多く食べること。

鎌田實先生の言葉には優しさがある。この本の魅力は、ストレッチの方法や筋力低下を防ぐための食事などのほか、年とともに変化する衰えを受入れつつ、無理なく筋力を維持する方法を優しく教えてくれている。

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