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#資本主義だけ残った ① ブランコ・ミラノヴィッチ著 「リベラル資本主義」

大野和基先生がインタビューした世界の経済学者を紹介する「未来を語る人」の中でインパクトのあるお話をされていたブランコ・ミラノヴィッチ教授(セルビア)の著書を読んだ。


思えば冷戦構造が崩壊し、共産圏と言われる国々が社会主義や共産主義を離れて資本主義を受け入れた20世紀の歴史は終わり、すでにこの社会はごく少数の資本が世界のほとんどを独占するという帰結となっているようだ。それは果たして本当に資本主義が在るべき社会なのか?という問いへ向かうことになる。


資本主義だけ残った――世界を制するシステムの未来
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1、冷戦後の世界のかたち


ナポレオン戦争から第一次世界大戦を経て、第二次大戦後の世界は分断を残したまま冷戦を継続したが、1989年に米ソのトップが握手をしてから急速に資本主義だけがただひとつの経済システムとして残ってしまった、という書き出しで始まる。



2、リベラル能力資本主義


ミラノヴィッチ教授は、リベラルと政治的というふたつの資本主義を比べて、同じ社会システムでありながら、それぞれの矛盾が格差拡大を促進させていることを示す。


貧乏人の所得は労働で、金持ちはその逆(ヴェブレン「有閑階級」


これは同類婚が不平等を拡大させてそのまま安定するという矛盾をはらむ。貧乏人は金持ちと結婚しない。この不均衡がそのまま世代間継承され、さらに格差は広がってゆく。ここで獲得された優位性は強固で動かない。ピケティが「r>g」で示したとおりだ。結婚もそうだが、ビジネスの面でも同じで、大企業には優秀な人材が集まり、中小企業にそういう人材は来ない。


このようにリベラル資本主義はどんどん拡大して「富の呪い」により自然と不平等が拡散してゆく。アメリカではレーガン政権以降、新自由主義が急激に進み”小さな政府”は市場への介入を控えることで、さらにこの格差が深刻化する。


第二次世界大戦後の ①強い労組 ②大衆教育 ③高い税金 ④大きな政府 は1980年代にかけて弱体化する。そしてこの傾向は社会福祉が消え去ろうとする傾向に符合する。所得の二極化で貧困層は置き去りにされる。余談だが、金持ちにアル中はいないらしい。そんな健全な金持ちは保険料を払いたくない。


こうした金持ちは言うまでもなく、国政に口を出す。上位1%の金持ちが支配する政治。彼らは政党への寄付だけでなく、メディアのスポンサーとしても支配力を持つ。


これらはアメリカの実情に照らして象徴的な資本主義のカタチと言えよう。


つづく・・・


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