パルコの歴史をたどると、西武百貨店系だった時代を除けばあまりよく知らなかったが、いまはJ.フロント リテイリングの資本らしい。もとは丸物（まるぶつ）という京都の百貨店が始まりだそうだ。百貨店はもともと呉服屋から始まっているが、ここも同じ。百貨店がファッションの先端だった時代は終わりを告げる中、ここ渋谷パルコは異彩を放っていると思う。

かつてこの建物には「愛と自由」をテーマに「TENGA STORE」まで存在した。

そしていまは、地下１階にコンドームの専門店「コンドマニア」まで存在する。ファッションとアートが、性を解放して自由を獲得する目的があるとしたら、こうしたスペースの活かし方があることが素晴らしいと思う。とても刺激的だ。そしてなにより開放的なのも素晴らしいと思う。

さらにこのあたりをぐるぐる歩くと、こんな不思議な店があった。

この日訪れたあと閉店してしまったらしいが・・・

店の中まで入る勇気はなかったが、この店のネーミングを見過ごすことはできない。要するの「パンとサーカス」のアレンジであろうと推測できるからだ。本村凌二氏の「はじめて読むローマ史」にも書いてあったとおり、パクス・ロマーナの黄金期に無料のパンと娯楽（サーカス）で市民が政治への興味を失った時代を連想させる。

誤解を恐れずに言うと、「国民皆保険制度」がパンで、無料で視聴できる地上波が「サーカス」。無料であることの恐ろしさを誰もが知るべきではないだろうか。これらの制度をやめることは難しいだろう。裏金を得て税金も払わない政治家の話題の生贄に、大物芸能人の性犯罪を前面に誤魔化そうとする社会。お笑い番組がこれだけ多いことを疑問に思わない国民。資本が政治にすり寄って、国民の実情を無視した増税でさらなる地獄の苦しみを与えようとする社会にあることを自覚しない。

まさに「米とサーカス」

興味深い店だ。真意を探りたい。
(=^・^=)

★