#ゴーストバスターズ/フローズン・サマー ギル・キーナン監督
「ゴーストバスターズ/フローズン・サマー」を先ごろ土曜日に鑑賞。オリジナルタイトルは”Frozen Empire”。コロンビア映画100年、節目の映画でもあるらしい。IMAXの巨大なスクリーンで鑑賞。
前作「アフター・ライフ」で、最初の(オーウェルが予言した)1984年作品でEgon Spenglerを演じたハロルド・ライミスをリスペクトして彼を再現したことに嗚咽するほどの感動を覚えてから2年、「ギフテッド 」で天才少女を演じたマッケンナ・グレイスさんがさらに大人っぽくなったこの作品は、この映画の礎を築き、前作が日本で公開された直後に亡くなっているアイヴァン・ライトマンに捧げる作品となっている。
1984年当時、とてつもなく大ブームとなったこの映画を冷めた思いで見ていた自分の認識を改める必要があることを教えてくれる作品だ。このシリーズの狙いを誤って理解していたかもしれない。余談だがアイヴァン・ライトマンは戦後1946年チェコの生まれ。反ユダヤ主義を逃れてカナダに移住した人物。チェコといえば経済学者セドラチェクの祖国であり、ラングの「死刑執行人もまた死す」の舞台でもある。ちなみに監督のギル・キーナンもユダヤ人。
GHOSTBUSTERS: FROZEN EMPIRE - Official Trailer (HD)
母親のキャリーが都会を離れて田舎暮らしをせざるを得なかった前作から、ゲイリーを含めた4人は家族のようになりニューヨークへ戻って来るが、そこに現れる新たなゴーストは、1904年に封じ込められた氷の神。最後の壮絶な戦いに至るまで、様々な圧力に立ち向かいながらゴーストバスターズが活躍する。
1904年のアメリカ大統領がセオドア・ルーズベルトで、「ゴーストバスターズ」が大ヒットした1984年が、資本主義で世界を滅ぼすきっかけを作ったロナルド・レーガンで、前作「アフター・ライフ」が製作された頃の大統領が、今年の大統領戦で再び「ゴースト」のように復活しそうなことを考えると、ライトマン監督や、ずっとこのシリーズを支えてきた原作者でもあるダン・エイクロイドらの意思は明らかだ。
この作品では、ときの(「ダイ・ハード」シリーズでも悪役のウィリアム・アザートン演じる)市長に、これらの狙いが託されている気がする。「ガバメントがバカだからゴーストが現れるのよ。」というようなセリフは、実はこのシリーズの軸なのだ。1984年版にも市長が出てくるが、このシリーズは常に政治を意識していることを感じさせる。なぜなら、サタデー・ナイト・ライブで政治家をこき下ろしてきたジョン・ベルーシやハロルド・ライミスとともに活躍してきたダン・エイクロイドの狙いがそこにあるからだ。騙されるな、という狙い。
少なくとも、単なるおちゃらけの映画ではないことを確信できる映画だった。おちゃらけているのは見る側なのではなかろうか?
ゴーストバスターズ/フローズン・サマー - Wikipedia
Ghostbusters: Frozen Empire - Wikipedia
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