#横尾忠則 寒山百得展③ 「戒め」
前回のつづき・・・
横尾忠則現代美術館で、横尾作品を色で分けるというイベントに挑戦したら、時代やテーマを超越して、原色の美しさだけが浮き彫りになったという。この時思ったのは、鈴木清順監督だ。清純監督の描く世界もまたパステルだ。特に「東京流れ者」で示した映像美は、時代を超えてデミアン・チャゼル監督の「ラ・ラ・ランド」へと飛躍して受け継がれる。横尾忠則作品のいくつかもまたポップで、ミュージカルのようだ。
ときに人物が自然や背景にかき消されてゆくような世界もまたすごい。
生まれてから我々がいつか死んでゆくまでに過程で、抗うことのできない時間のながれをここでは堰き止める。堰き止めて跳ね返すのではなく、これらを受け入れて乗り越えるというものだ。老子思想から派生した宮本武蔵の「五輪書」。そしてブルース・リーが世界に解き放った「水になれ」という精神こそ、まさに横尾忠則がここに残した作品群。そこにはきっと何もメッセージやテーマはない。それは見る側の問題なのだ。力ずくで何もかも踏み倒してきた者たちへの戒めともとれるだろうか。
そして横尾さん自身も、終わり間際に自ら展示を見に行かれたらしい。
昨日、上野の東京国立博物館での個展「寒山百得」展を12月3日最終日をひかえて、見に行った。久し振りで公園内や会場を歩いたせいか疲れたが観ている人は皆んな元気に見えた。学芸員の方がいうように観客の表情が柔らかいのが驚きだそうだ。
— 横尾忠則 (@tadanoriyokoo)
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