#何もしない 「#4分33秒」
第三章 拒絶の構造
社会と距離を置くことの具体例を並べる。そのひとつの方法が「拒絶」だ。ディオゲネス (犬儒学派) はアレクサンダー大王を拒絶しつづけながら存在した。
世間で「まとも」と言われる人間ほど、強欲、腐敗、無知 「反転の美学」
自分の判断を外に置いて他者に委ねる無感覚状態は、「まとも」と思しき人物たち(見た目とか)に惹かれて全てを失ってゆく可能性がある。
ヘンリー・デイヴィッド・ソローの「市民の反抗」では税金の不払いによって自らを取り戻すことを示す。
これはまさに我が国の政治のことを言っていないか?増税と脱税の違いを政治家が理解できなくなっている。これに対して、集団的不服従の連携によって対応するべきだと示す。ところがそれぞれに余白がないと拒絶すらできない。我が国は長い長い長いデフレ社会を受け入れたおかげで精神的にも物理的にも余白を失った。日本の政治家は国民の余白を封じ込め「拒絶」することすらできない支配的な社会を構築した。
この章の最後に、著者は「SNSは新自由主義的な理想を強化している」と言う。睡眠を阻害するスマホなどのSNSを有害物質と位置づけ、睡眠は資本主義が占有できな人間らしいものだという。そして注意経済、すなわちなにかに注意を向けることをやめることによって、人間にとって最後の砦となる睡眠を確保できると説く。
第四章 注意を向ける練習
禅の教えをジョン・ケージがアレンジして
2分経っても退屈なら4分試しなさい
だめなら8分、16分、32分・・・
しないには退屈でなくなっているはずだ
と言っている。まさに「4分33秒」の世界こそ”何もしない”ことの実践ではなかろうか。
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つづく・・・
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