ヴェラアズール ジャパンカップ2022

歴代1番人気の馬を並べてみた。この表の意味するところは、外国馬の1番人気は勝てない、というジンクス。2000年のテイエムオペラオーが勝つまでは、このレースを1番人気で勝った馬はただ1頭、皇帝シンボリルドルフだけだった。それはつまり、このレースが超難解なレースだったことを意味する。20年で1番人気が1度しか勝てないレース。これはすごいことだと今さら思う。

ちなみに外国馬で1番人気となった馬の傾向としては、このレースの約2月前に開催される凱旋門賞に勝つと優先出走権が得られるということもあって、デインドリームやモンジュー、エリシオあたりが人気になったのはその影響だろう。しかし誰もが知るところだが、凱旋門賞とジャパンカップではレースの質がまるで違う。もうすこし報道も冷静に伝えてほしい。


このレースが1981年に創設されたときは、世界の馬と日本の最強馬が激突する、という構図だったが、今はもうそれがないので、恐らくあと100年かかっても、このレースを1番人気の外国馬が勝利することはない。1番人気になるような外国馬がこのレースに参戦することもないだろう。価値のないレースであることについてはかつて長々と記事に書いた。



個人的には、このレースの面白さに期待した世代なので、このレースの衰退(というと大変失礼だが・・・)に合わせて競馬への興味が激減していった。それまではこのレースのために、世界競馬を追いかけていたものだ。



このレースを世界が注目するレースにしよう、という創設当時の意思はどこへやら。かつてはホースマンが様々な人脈を駆使し、世界から”招待馬”という立場で多くの名馬をここに呼び寄せたが、いまは「来るならどうぞ。」という姿勢に変わってしまった。しかしこれは仕方のないことだ。日本競馬のレベルが一定以上の成果を得て向上した、という判断ではあると思うのだが・・・



それにしても、今年のこのレースに国内ワールドレーティング1位の馬ダービー馬菊花賞馬も、3歳で天皇賞秋を制した馬も出ない、という夢のないメンバーに、海外から凱旋門賞10着の馬の参戦があるのみ、というレースをどう評価すればいいのだろう。お招きする側も招かれる側もやる気なし。本当に年々情けなくなる。



そして今年のこのレースは、GⅡ1勝馬ヴェラアズールがとてつもない末脚でこのレースを勝ちきった。すご末脚だった。

鞍上はイングランドのベテラン、ライアン・ムーア騎手。ムーア騎手はジェンティルドンナ以来のこのレース勝利。


冷静になってみれば、今年のような手薄のメンバーであれば、騎手の腕が勝敗を左右するのは明らかで、4位まで外国人騎手が占める結果となったのは予想できたのかもしれない。こうなるとこのレースは、馬の実力よりジョッキーの腕前を競うレースということかもしれない。

ちなみにわざわざ来日した外国馬はオネストの7着が精一杯。
前段でくどくど書いたとおり、このレースは客観的にはGⅡレベルのレースである。



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